評価・換算差額等とは|概要と連結仕訳を解説

税務署と電卓と会計書類

記事最終更新日:2022年10月5日
記事公開日:2022年6月8日

「評価・換算差額等」には類似用語が存在し、表示区分も分かりにくいと思います。

そこで本記事では、評価・換算差額等について、概要(定義、内容、表示など)と連結上の仕訳について解説します。

評価・換算差額等とは|概要(定義、内容、表示など)と連結修正仕訳を解説

目次

評価・換算差額等とは

評価・換算差額等とは、貸借対照表上の純資産の部に分類される表示科目の1つです。「その他有価証券評価差額金」など、株主資本に属さない取引から構成されます。

内容(内訳)

「評価・換算差額等(その他の包括利益累計額)」の内訳は次の通り。

資本連結

連結会計上、評価・換算差額等は、株主資本(資本金など)や評価差額とともに、親会社が保有する子会社株式と相殺消去します。

その他の包括利益(累計額)

評価・換算差額等は、連結貸借対照表上では「その他の包括利益累計額」として表示し、連結包括利益計算書では「その他の包括利益」として表示します。

連結財務諸表上では、在外子会社の財務諸表の換算時に計上する為替換算調整勘定を「その他の包括利益(累計額)」に含めて表示します。

会計基準

※2022年10月5日現在。リンク先の会計基準等は最新版でない場合があります。

財務諸表等規則(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則)
金融商品に関する会計基準(企業会計基準第10号)
金融商品会計に関する実務指針(日本公認会計士協会 会計制度委員会報告第14号)

連結上の仕訳

資本連結の際には、財務諸表上の表示科目で仕訳するため、「評価・換算差額等勘定(純資産の部に属する勘定科目)」で仕訳します。

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
資本連結資本金×××子会社株式×××
資本剰余金×××非支配株主持分×××
利益剰余金××××××
評価差額××××××
評価・換算差額等××××××
のれん××××××

表示

個別貸借対照表上の純資産の部に、「株主資本」の次に「評価・換算差額等」と表示します。

仕訳例

  • S社(資本金100 利益剰余金20 評価・換算差額等5)の株式80%を105で取得して連結子会社とした。
借方科目借方金額貸方科目貸方金額
資本金100S社株式105
利益剰余金20非支配株主持分25
評価・換算差額等5
のれん5

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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