5-6 受取商品券と差入保証金

商品券とは

商品券(しょうひんけん)とは、現金の代わりに使用することができる、券面に記載された金額の商品と交換することができる権利を表す有価証券をいいます。

具体的にイメージできるように商品券のサンプルを掲載します。

【図書カード】

図書カード

【引用元】図書カードNEXT

【ギフトカード】

ギフトカード

【引用元】JCBギフトカード

受取商品券とは

他店商品券(たてんしょうひんけん)とは、自社以外の他の会社が発行した商品券をいいます。

例えば、ギフトカードや図書カードなどをいいます。

ところで、商品券とは一般の会社であれば発行するのではなく購入して贈ったり、受け取ったりするものです。

そこで、簿記3級では他店商品券ではなく、「受取商品券(うけとりしょうひんけん)」という言葉を使用します。

受取商品券の仕訳

受取商品券が増減する取引には、「受取商品券(資産に属する勘定科目)」で仕訳します。

商品の販売時に、現金ではなく商品券を受け取った場合には、商品券を発行した会社に対する債権が発生します。

すなわち「将来この商品券と引き換えに現金を受け取る権利」が発生したということです。

そこで、この債権が発生したことを記録しておくために、借方に「受取商品券」を記入して仕訳します。

後日、この商品券を発行した会社に渡してお金を受け取った場合には、この債権が減少するので、「受取商品券」を貸方に記入して仕訳します。

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
商品の販売と商品券の受取受取商品券×××売上×××
受取商品券の引き渡し現金預金など×××受取商品券×××

取引の8要素

差入保証金とは

差入保証金(さしいれほしょうきん)」とは、取引するにあたり債務者が債権者に担保として差し入れるお金のことをいいます。

敷金

最も代表的な取引は、建物や土地といった不動産を借りる場合に、借りる会社が貸す側の不動産会社や地主に対して保証金を差し入れるケースです。

この場合の保証金を「敷金(しききん)」といいます。

賃貸借の契約が終了した際には、この敷金は不動産を借りた会社に返金されます。

※ただし、契約によっては返金されない場合もあります。この場合は今回説明する差入保証金では仕訳できません。

差入保証金の仕訳

保証金を差し入れた場合には、「差入保証金(資産に属する勘定科目)」で仕訳します。

不動産を賃貸借する契約を締結した際に、仲介会社へ支払う手数料や家賃とともに敷金を支払うため、この時に敷金の金額について借方に「差入保証金」を記入します。

賃貸借契約が終了し敷金が返金された場合には、差入保証金は減少するため貸方に「差入保証金」を記入します。

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
賃貸借契約の締結と支払支払家賃×××現金・預金×××
支払手数料×××
差入保証金×××
敷金の返金現金・預金×××差入保証金×××

※「支払家賃勘定」と「支払手数料勘定」は、それぞれ「10-5 水道光熱費・支払家賃・支払地代・保険料」「10-3 広告宣伝費・支払手数料・旅費交通費」で解説

取引の8要素

仕訳問題

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1受取商品券50,000売上50,000
2現金30,000受取商品券30,000
3支払家賃100,000普通預金260,000
支払手数料10,000
差入保証金150,000
4普通預金150,000差入保証金150,000
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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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著者プロフィール

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