10-4 例題(CVP分析)

<出題可能性・重要度>★★★★★

これまでの解説について、例題を使って解説します

例題

損益分岐図表

順番に解説します。

解説1-変動費と固定費の計算

これまでの解説のように例題の一部を再掲します。

与えられた数値資料2は「全部損益計算書のP/L」です。

第1章の「全部原価計算と直接原価計算」で登場した「直接原価計算のP/L」には、商業簿記で習ったことのない貢献利益などの用語が載っています。本問のP/Lでは、そのような科目は表示されていないため、商業簿記で習うP/L、つまり「全部原価計算のP/L」です。

直接原価計算の問題で「全部原価計算のP/L」が与えられた場合、最初に行うことは

変動費と固定費を分類して計算すること

です。

数値資料1に、P/Lに含まれる固定費の情報が載っているので、これをヒントにして「変動費」と「固定費」を計算します。

「売上原価」と「販売費及び一般管理費」は区別せず、変動費は変動費、固定費は固定費で分けて合計します。

解説2-(問1)貢献利益率の計算

次に、貢献利益率を計算します。

始めに、変動費と売上高から変動費率を計算します。そして、「1 - 変動費率」から貢献利益率を計算します。

解説3-(問2)損益分岐点売上高の計算

貢献利益率と固定費が分かっているので、解説した計算式から、損益分岐点売上高が計算できます。

ここまでは、解説した知識で解けます。次の問3は、少しテクニックを要する問題です。

解説4-(問3)目標売上高の計算

例題を再掲します。

「(問3)来期の営業利益の目標は170,100円です。他の条件は当期と同じであると仮定する場合に、この営業利益を達成するために必要な売上高を求めましょう。」という問題ですが、「他の条件は当期と同じであると仮定する」とあるので、販売価格や貢献利益率(変動費率)、固定費の額といった条件は同じと考えます。

求めるのは「目標営業利益170,100円を達成するのに必要な売上高」です。これまでに分かった情報を損益分岐図表に更新すると次の通り。

損益分岐図表

本問を簡単に求めるには、損益分岐図表に少し手を加えます。変更後の図は次の通り。

損益分岐図表

何を変えたかというと、「目標営業利益170,100円の分だけ固定費+変動費の直線を上方向にそのままシフト」させました。

こうすることで、(問3)は「固定費+目標営業利益 = 1,170,540円」を新たな固定費とした損益分岐点(淡い赤色の●)の売上高を求める問題になるのです。

つまり本問は、「固定費1,170,540円、貢献利益率0.42(42%)の損益分岐点売上高を求める問題」と同じになります。すると、(問3)は(問2)と同じ解き方で解けます。計算は次の通り。

損益分岐図表

(問3)まで解けるようになれば、他のCVP分析の応用問題も解けるようになります。

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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