会計入門 資産と負債、純資産(資本)と貸借対照表の関係とは(2つの等式)

更新日:2020年3月30日
作成日:2012年4月10日

前回、会計入門その3~貸借対照表の見方では、貸借対照表について、簡単な説明や表の基本的な見方、「資産の部」「負債の部」「純資産の部」といった区分について説明しました。

今回は、「資産」「負債」「純資産」を説明し、その後、この3者や貸借対照表との関係について、資本等式といった用語も併せて説明しながら、家計簿との違いに焦点を当てて具体的に解説していきます。

「資産」「負債」「純資産」とは?

前回、貸借対照表について、本来の定義を分かりやすい表現で次の通り説明しました。

ある時点で会社について、お金がどれだけあり、また、将来、現金として入金されそうなお金や提供を受けるモノやサービスがどれだけあるのか。また将来、支払いとして出金がありそうなお金や提供するモノやサービス(義務)がどれだけあるのか。お金をどれだけ出資者(株主)から預かっており、そのお金でビジネス活動を通じて累計でどれだけ儲かったか(または損したか)が分かる資料

上記の説明がそのまま「資産(しさん)」「負債(ふさい)」「純資産(じゅんしさん)」の説明となっています。

・資産:お金がどれだけあり、また、将来、現金として入金されそうなお金や提供を受けるモノやサービスがどれだけあるのか。

・負債:将来、支払いとして出金がありそうなお金や提供するモノやサービスがどれだけあるのか。

・純資産:お金をどれだけ出資者(株主)から預かっており、そのお金でビジネス活動を通じて累計でどれだけ儲かったか(または損したか)。

以上が資産、負債、純資産の説明です。

※上記は、「将来(未来)」と「ある時点(現在)」という2つの時で説明していますが、もう一つ「過去」の視点も本来は説明に追加しなければなりません。この点については、各科目の説明ページにて解説していきます。「入門用の解説であり、定義を長文にしたくなかったため」とお考え下さい。

各科目と上記の説明を照らし合わせてみて下さい。例えば、「現金及び預金」が「資産」であることは理解できると思います。他にも上記3項目との関係についてイメージしやすい科目がいくつもあると思います。

一方で理解が難しい科目もあるのではないでしょうか?また科目自体の意味も分からないということもあると思いますので、難しい科目については次回以降のページで順番に説明しています。

資産、負債、純資産の関係と貸借対照表等式

前回、次のことを説明しました。

・右側と左側の合計金額は必ず一致する。
・左側に「資産の部」、右側に「負債の部」と「純資産の部」が記される。

ここから次のことが分かります。

資産、負債、純資産は貸借対照表の構成要素である。

以上をまとめると、

資産(合計)=負債(合計)+純資産(合計)

という関係式が成り立ちます。

上の貸借対照表のケースに当てはめると、

資産 131,254千円=負債 88,506千円+純資産 42,748千円

確かに合ってます。

この等式を貸借対照表等式(たいしゃくたいしょうひょうとうしき)といいます。

「貸借対照表の構成と同じであるから、貸借対照表等式である」と覚えておけばイメージしやすいと思います。

資本等式

しかし、これだけでは単に計算が合っていることを説明しているだけです。

そこでこの関係式を皆さんが分り易く理解できるように、式を変形させます。

中学の数学で学んだ方程式のように、貸借対照表等式の右辺にある負債を左辺に移行します。具体的には、

資産 - 負債 = 負債 - 負債 + 純資産

といったように、左辺と右辺からそれぞれ、負債を差し引きます。

結果、次の通りとなります。

資産 - 負債 = 純資産

この等式は、「資産と負債の差が純資産になる」ということを意味します。

この等式を資本等式(しほんとうしき)といいます。

この資本等式から、冒頭に説明した純資産は次のように説明することもできます。

純資産:ある時点の資産から負債を差し引いた差額である。

【補足】純資産と資本という言葉について

純資産ですが、従来は「資本」という言葉が用いられてきました。貸借対照表の「純資産の部」という言葉も以前は「資本の部」でした。

しかし、日本の会計ルールを国際的な会計ルールに近づけるように変更していった結果、「負債の部」と「資本の部」の中間的な取り扱いになってしまうような科目を、使わざるを得ない状況になってしまいました。

そこで、「資本の部」という名称を「純資産の部」と変更し、従来の資本の部に含めていた科目の他に、上述の中間的な取り扱いになるような科目もこの「純資産の部」に含めることになりました。

資本等式を分かりやすくイメージすると

さて、資本等式を上の資産、負債、純資産の説明とを見比べてみてください。

特に、資産の「入金」、負債の「出金」、純資産の「儲かった」という部分です。

ある別の式をイメージすることができます。皆さんお分かりになりますでしょうか?それは次の式です。

収入-支出=収支

これだと家計簿と同じなのでイメージしやすいと思います。

家計簿との違いは?

以上から資産、負債、純資産の関係は収入、支出、収支の関係と似ていることが分かりました。

でも違う点もあります。どこなのかというと

1.資産や負債には「将来」に入金、出金されそうなお金や提供を受けるまたは提供するモノやサービス(権利、義務)が含まれる。

これに対して家計簿は「ある時点(現在)」の入金や出金しか扱いません。

※上記で少しだけ説明しましたが、資産や負債には「過去」の入金や出金、又はモノやサービスの受け取り、提供が含まれます。

2.資産-負債=純資産の関係式は、ある時点の有高(ストック)を示している。それに対して収入-支出=収支は、ある一定の期間(フロー)についての関係を表している。

※「フローとストック」という言葉は会計学や簿記を学ぶ際には、頻出用語なので覚えておいて損はありません。

1.について補足しますと、資産や負債に将来や過去の入金、出金、モノやサービスを何でも含める、というわけではありません(そんなことしたら何でもアリになってしまいますから)。

権利や義務として確定したが、まだ入出金されていないもの」、または「過去に入出金したが、未だに権利や義務として確定していないもの」を資産や負債に含めます(ただし例外もあります)。

代表的な科目としては、資産では「売掛金(うりかけきん)」、負債では「買掛金(かいかけきん)」があります。

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