商業簿記入門その53~商品有高帳の総平均法による記帳と棚卸減耗、商品評価損(2級)

公開日:2017年12月17日

商品有高帳の総平均法による記帳と棚卸減耗、商品評価損

前回、「商業簿記入門その52~仕入および売上の割引と仕訳処理(2級)」では、仕入および売上の割引とその仕訳処理について解説しました。

今回は商品有高帳を総平均法にて記帳する方法、および棚卸減耗や商品評価損ついて説明します。


商品有高帳と総平均法

商品有高帳とは、商品の種類ごとに明細を記入した帳簿です。

商品有高帳については、「商業簿記入門その50~商品有高帳と先入先出法、移動平均法(3級)」にて解説しています。よろしければご訪問ください。

「総平均法(そうへいきんほう)」とは、商品の単価を計算する方法のうちの一つであり、商品の総数量と総金額から商品単価を計算する方法をいいます。

※商品の単価計算には、その他にも先入先出法や移動平均法が存在します。「商業簿記入門その50~商品有高帳と先入先出法、移動平均法(3級)」にて解説していますので、よろしければご訪問ください。

総平均法による商品有高帳の記帳

次の設例を用いて、総平均法による商品有高帳を記帳してみます。

【設例】A社の〇〇年5月のジーンズの取引は次の通りである。
前月繰越は数量100 単価2,000円である。
5月 6日 数量200を単価1,850円で仕入れた。
5月10日 数量150を販売した。
5月18日 数量100を単価2,400円で仕入れた。
5月26日 数量150を販売した。

総平均法によった場合、上述の設例による商品有高帳は次の通りになります。

〇〇年摘要受入払出残高
数量単価金額数量単価金額数量単価金額
5 1前月繰越1002,000200,0001002,000200,000
6仕入2001,850370,000300
10売上150150
18仕入1002,400240,000250
26売上150100
31次月繰越1002,025202,500
400400
6 1前月繰越1002,025202,5001002,025202,500

総平均法では、最後(この設例では月末)にならないと単価を計算することができません。従って、月中の払出と残高について単価と残高は空白になっています。

上述では単価は2,025円となっていますが、次の通り計算します。

総仕入高( 200,000円 + 370,000円 + 240,000円 ) ÷ 総数量( 100 + 200 + 100 ) = 2,025円 ※前月繰越を含めて計算します。


棚卸減耗とは

棚卸減耗(たなおろしげんもう)とは、商品が紛失や盗難などで減少することをいいます。

上述の通り、商品有高帳によって、商品毎に受入と払出の都度、商品の動きを記録して把握しています。しかし、商品が紛失したり盗難に会うこともあります。このような事実が発生した場合には、期末の商品棚卸によって、実際に商品をカウントした結果、商品有高帳の数量(帳簿数量(ちょうぼすうりょう)ということがあります)と実際の商品数量(実地棚卸数量)とが一致しなくなります。

この差異を棚卸減耗損として仕訳処理します。次の式によって計算します。

棚卸減耗損の計算:( 帳簿数量 ) - ( 実地棚卸数量 ) × @原価(単価)

商品評価損とは

商品評価損(しょうひんひょうかそん)とは、商品の価値が下落した場合の下落した部分のことをいいます。

期末時点で、商品の時価(「正味売却価額(しょうみばいきゃくかがく))といい、ここでは期末時点の売却価額をいいます。」)が、商品原価(ここでは単価と読み替えて差し支えありません)よりも低い場合には、商品の期末残高を時価まで引き下げないといけません。

この商品の減少額(損失)を商品評価損といい、次の式で計算します。

商品評価損:(@原価 - @時価 ) × 実地棚卸数量

棚卸減耗と商品評価損の仕訳処理

棚卸減耗の仕訳処理には「棚卸減耗損勘定(費用に属する勘定科目)」を用います。また商品評価損の仕訳処理には「商品評価損勘定(費用に属する勘定科目)」を用います。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
棚卸減耗損の発生棚卸減耗損×××繰越商品×××
商品評価損の発生商品評価損×××繰越商品×××

仕訳例

A社は決算を迎えた。商品について調べたところ次の事実が見つかった。
1.帳簿数量200(@2,000円) 実地棚卸数量190
2.商品の期末時点の時価(正味売却価額)は1,900円である。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1棚卸減耗損20,000繰越商品20,000
2商品評価損19,000繰越商品19,000

【解説】
1.棚卸減耗損 ( 200 - 190 ) × @2,000円 = 20,000円
2.商品評価損 ( @2,000円 - @1,900円 ) × 190 = 19,000円

まとめ

今回は総平均法による商品有高帳の記帳方法と棚卸減耗、商品評価損の仕訳処理について解説しました。反復演習で覚えていきましょう。


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