簿記2級の独学方法

PCとグラフ

日商簿記2級は独学でも十分に合格できる試験です。

しかし連結会計や税効果会計をはじめとして試験範囲の拡大とともに本試験問題の難易度が高くなりました。

そこで今回は合理的に効率よく独学で合格するための具体的な方法について解説します。

(最初に)独学が自分の学習スタイルに合っているかどうか考える

「独学で十分に合格できる試験」と書きましたが、勉強スタイルは人それぞれ。

独学ではなく専門学校や通信教育、Webスクールを利用して講師の話を聞いて、しっかりとしたテキストを利用した方が合格しやすい人も大勢います。

まずは自分が独学に合っているかどうかについて考えてみることをお勧めします。

日商簿記2級に必要な学習時間の確保

有名専門学校などの情報によると日商簿記2級の学習に必要な時間は「150時間から300時間」であることが分かります。

この関連記事によると、例えば日商簿記3級の実力がある人であれば「150時間から200時間」が必要です。

受験日から現在までの日数と資格勉強に割り当て可能な時間とを考慮して150時間から200時間を簿記学習に充てられるかを検討します。。

商業簿記と工業簿記の違いを把握

日商簿記2級では商簿だけでなく工簿も試験範囲です。

試験範囲の広さや勉強方法も異なります。両者の特徴を把握しておき学習方法に反映させます。

特に商簿の難易度が高くなった現在の試験では、工業簿記の得点力は合格のカギを握っているといえるでしょう。

学習スケジュールの作成

日商簿記2級の試験日までの学習スケジュールを作成します。

最初に大まかに行う勉強と期間を決めます。商業簿記と工業簿記とに分けて作成します。

例えば次の通り。

残り日数商業簿記工業簿記
90テキスト1周目
70テキスト2周目+仕訳問題テキスト1周目
50帳簿問題+総合問題テキスト2周目+仕訳問題+総合問題
20過去問(2021年以降は類題)を1回解く(何が足りないかの確認)
19弱点補強対策の検討
18過去問(類題)演習+弱点補強
0本試験日

ポイントを3つ挙げます。

ポイント1つ目は「無理のない学習計画にすること」です。

さらにブレイクダウンした詳細な計画を立ててもよいでしょう。詳細な計画を立てると無理のない学習計画かどうかが分かりやすくなります。

ポイント2つ目は「実際の学習を記録すること」です。

計画と実際の学習とを比較してスケジュール通りに学習できそうになければ計画を変更します。

ポイント3つ目は「直前対策、本試験日用のノート作成」です。

理解できない点をまとめたり、本試験当日に一気に再確認できるような「ツール」を用意しておくということです。この作業いかんが当日の合否を分けるといっても過言ではありません。

テキストの選び方と学習方法

有名専門学校や実績のあるテキストを選ぶとよいでしょう。

しかし、テキストだけでは理解できないこともあると思います。また、紙面のテキストだと両面(2ページ)を一度に見れる点がメリットですが、時間や場所を選ばずに読めるわけではありません。

そこで、メインテキストとは別に「PDCA会計」のような電子書籍テキストやWebサイトなどを複数、補助的に適宜利用することをお勧めします。

問題集の選び方と学習方法

有名テキストには演習問題も掲載されていることが多いですが、他の問題集の利用も検討しましょう。

判断の基準は「一度、過去問(2021年以降は類題)を解いてみる」です。できるだけ早い時期が良いのですが、現在の自分のレベルとのギャップを感じてしまいモチベーションダウンになる危険もあります。心を落ち着かせて「今なら大丈夫」という時にザッと目を通すだけでも構いません。

もしテキスト内の問題と過去問(類題)との間に隔たりを感じた場合には、過去問(類題)演習に進む前に別途問題集を活用しましょう。

特に重要なのは「仕訳問題」です。商簿も工簿も「仕訳を制すれば試験を制す」が当てはまります。仕訳さえ本試験レベルに達していれば過去問(類題)演習もこなせるようになります。

直前対策

本試験2,3週間前くらいから直前対策を行います。

「これまでの学習から得られた水準と合格水準との差を埋めるために何を行うのか」を検討して、その差を埋めるための対策を練って学習に反映させます。

これまでの学習でためたメモ・ノート類から、学習可能でかつ差を埋めるのに効果的なものを抽出します。

同時に、この直前対策ノートは本試験日の確認ノートとしても役立つように整理します。

モチベーションの維持

「やる気」を維持して本試験日に近づくにつれ高めるようにもっていきます。

モチベーション維持の方法としては「点数の記録」があります。何回か解いていくうちに点数が伸びるので記録を取っておけばこれまでの点数の経過が分かるので自信となり、無理のない計画で学習しているのであれば、試験日に近づくにつれ合格レベルに着実に近づくので、モチベーションも自然と上がるはずです。

他にも日商簿記2級取得の目的を計画前に明確にしておき、合格後のことをイメージしたり、計画通り学習が進んだらばその都度、自分にご褒美を与えるように計画設定するなど、モチベーションを維持し高めていきましょう。

健康・体調管理

本試験日に本来の実力を発揮できるよう健康管理と体調管理に気をつけましょう。

本試験前日は夜更かしせずに十分な睡眠をとり、朝早く起床して余裕を持って本試験に臨めるように準備することです。

まとめ

以上、日商簿記2級の勉強方法について解説しました。

この記事が皆さんの役に立てば幸いです。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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