日商簿記2級 リース会計とは|ノンキャンセラブルとフルペイアウト

更新日:2021年1月4日
公開日:2018年2月8日

前回は、投資その他の資産のうち主に長期前払費用の仕訳を中心に解説しました。

今回は、リース会計について「ノンキャンセラブル」「フルペイアウト」といった用語も含めて説明します。

リース取引とリース会計は

リース取引(りーすとりひき)とは、物件を所有する貸手が借手にリース期間にわたり使用収益する権利を与え、借手はリース料を貸手に支払う取引をいいます。

リース取引に適用する会計処理(仕訳処理や表示など)のことを総称してリース会計(りーすかいけい)といいます。

リース取引で扱われる資産には様々なものがありますが、例えば、自動車、コピー機、特殊な機械、PC、デスクなどの備品などがあります。

リース取引の分類

リース取引には後述するように、「ファイナンス・リース取引」と「オペレーティング・リース取引」があります。

「ファイナンス・リース取引」と「オペレーティング・リース取引」は、リース取引の契約形態に応じて分類します。

「契約形態に応じて」とは、具体的には締結したリース契約について、次の2点を確認します。

ノンキャンセラブルとフルペイアウトとは

ノンキャンセラブル」とは、リース期間の中途で解約することができない、又は多額の違約金を支払うなど実質的に解約することができないようなリース取引の契約をいいます。

フルペイアウト」とは、借手がリース物件を自己所有している場合と同様の経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるようなリース取引の契約をいいます。

「フルペイアウト」を具体化すると、「借りたリース物件を自分で購入した場合と同じく制限なく使用することができる。また、リース料の中には自分で購入した場合に支払うコスト(リース物件の購入額だけでなく、関連する税金や維持管理のコスト、廃棄費用など)も含まれている。」ということです。

例えば、自動車をリースした場合に契約書の中に走行距離の制限が記載されていたり、リース料には車検費用や自動車税は含まれておらずリース会社が負担する、といった条項が存在した場合にはフルペイアウトには該当しませんといえます。

※あくまでも「例え」です。分かりやすい例を考えてみました。

ただし、リース料は「金利」を含むので、この点、購入と異なります。

実務上、リース契約を締結した場合には契約書類を読み込み、ノンキャンセラブルやフルペイアウトに該当するような条項が含まれていないかどうかの確認が重要です。なぜならば、この2項目に該当するかどうかによって、「ファイナンス・リース取引」か「オペレーティング・リース」に分類され、これらのリース取引に適用される会計処理が異なるからです。

ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引

ファイナンス・リース取引(ふぁいなんすりーすとりひき)」とは、ノンキャンセラブルとフルペイアウトを両方とも満たすリース取引をいいます。

オペレーティング・リース取引」とは、ファイナンスリース取引以外のリース取引をいいます。

この2つに分類する理由は次の通り。

  • (1)ファイナンス・リース取引について
  • ①ノンキャンセラブルかつフルペイアウトであるため、実質的には、金融機関からお金を借りて、そのお金で自分で購入した場合と同様の取引である。
  • ②従って、ファイナンス・リース取引に該当する場合には、固定資産の売買処理に準じた会計処理を適用すべきである。
  • (2)オペレーティング・リース取引について
  • ①ノンキャンセラブルとフルペイアウトを両方とも満たすわけではないため、ファイナンス・リース取引のようにリース物件を自分で購入した場合と同じだと考えることはできない。
  • ②従って、オペレーティング・リース取引に該当する場合には、リース契約という取引の通り、通常の賃貸借処理に準じた会計処理を適用すべきである。

以上をまとめると、ファイナンス・リース取引は売買処理に準じた会計処理を適用し、オペレーティング・リース取引には賃貸借処理に準じた会計処理を適用する、ということです。

まとめ

今回は、リース会計とは何かについて、ノンキャンセラブルやフルペイアウトといった用語とともに解説しました。ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引という用語が問題の中に現れた場合に慌てない位に理解しておきましょう。

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