日商簿記3級、2級 減価償却費(直接法、間接法)と仕訳、固定資産台帳

更新日:2021年1月4日
公開日:2017年12月24日

前回は有形固定資産の売却と仕訳について解説しました。

今回は有形固定資産の減価償却費(直接法、間接法)と仕訳、固定資産台帳について説明します。

減価償却とは

土地以外の有形固定資産は使用していくにつれて価値が減少していきます。

この価値の減少を一定のルールに基づいて、有形固定資産の帳簿価額から差し引くための計算手続を「減価償却(げんかしょうきゃく)」といいます。

また、減価償却に従って計算された金額のことを「減価償却費(げんかしょうきゃくひ)」といいます。

減価償却費の計算方法

減価償却費の計算方法にはいくつかの種類がありますが、日商簿記3級では「定額法(ていがくほう)」を学習します。

定額法では、毎期、同じ金額の減価償却費を仕訳します。計算方法は次の通り。

減価償却費(定額法) = ( 取得原価 - 残存価額 ) ÷ 耐用年数

残存価額(ざんぞんかがく)」とは、有形固定資産が使用できなくなった場合の見込処分額のことをいいます。

耐用年数(たいようねんすう)」とは、有形固定資産を使用することができると見込まれる年数をいいます。

直接法と仕訳(日商簿記2級)

有形固定資産の減価償却に関する仕訳処理には、「直接法」と「間接法」があります。

直接法(ちょくせつほう)とは、減価償却の金額だけ有形固定資産の勘定科目の金額を直接減らす方法をいいます。

すなわち、減価償却によって有形固定資産の帳簿価額は減少するため、貸方には建物、備品、車両運搬具、土地といった有形固定資産を表す勘定科目を記入します。

そして借方は「減価償却費勘定(費用に属する勘定科目)」で仕訳します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
減価償却直接法減価償却費×××建物、備品など×××

間接法と仕訳

間接法(かんせつほう)とは、有形固定資産の勘定科目の金額を減らすのではなく、減価償却累計額勘定を使って減価償却費の金額を計上する方法をいいます。

借方は「減価償却費勘定(費用に属する勘定科目)」で仕訳し、貸方は「建物減価償却累計額勘定(たてものげんかしょうきゃくるいけいがくかんじょう)」「備品減価償却累計額勘定(びひんげんかしょうきゃくるいけいがくかんじょう)」「車両運搬具減価償却累計額勘定(しゃりょううんぱんぐげんかしょうきゃくるいけいがくかんじょう)」といった減価償却の減少のための勘定科目を設定して仕訳します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
間接法減価償却費×××〇〇減価償却累計額×××

減価償却費の月割り計上

例えば、3月決算の会社で、×1年12月に建物を購入し、×2年3月の決算でこの建物について減価償却費を計算する場合には定額法に基づいて計算しますが、上記の計算式は1年間(12か月間)の減価償却費です。

12月に購入したのであれば「12月~3月までの4ヶ月分だけを減価償却費として仕訳」します。

この場合には上述の式で計算した減価償却費を12か月で割って1ヶ月分の減価償却費を計算し、それに4(4ヶ月)を掛け算して計算します。

日数は関係ありません。10月1日に購入しても10月30日に購入しても同じ1か月として計算します。

【補足】〇〇減価償却累計額勘定の性質

有形固定資産を減少させる減価償却費の相手勘定であり、「資産の控除(こうじょ)科目」という性質を持っています。

「控除」とは「マイナスする」という意味です。「資産」「負債」「資本(純資産)」「費用」「収益」には属さない「特別な勘定科目」として覚えておきましょう。

固定資産台帳

固定資産台帳(こていしさんだいちょう)」とは補助簿(補助元帳)に該当し、1件1件の固定資産について詳細を記録するための帳簿をいいます。

下に固定資産台帳のサンプルを掲載します。

仕訳帳や伝票、総勘定元帳だけだと1件1件の固定資産について把握するのは難しいですが、固定資産台帳を用いて記録すれば簡単に1件1件の固定資産の情報を把握できます。

仕訳例

  • A社は×2年3月の決算を迎えた。
  • 有形固定資産の状況は次の通りである。
  •  1.建物:×1年4月に購入。取得原価2千万円 残存価額ゼロ 耐用年数40年
  •  2.本棚:×1年10月に購入。取得原価60万円 残存価額は取得原価の5% 耐用年数8年
  • これら固定資産の減価償却に関する仕訳について、1.は直接法、2は間接法で仕訳処理しなさい。
No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1減価償却費500,000建物500,000
2減価償却費35,625備品減価償却累計額35,625

【解説】
1.建物の減価償却費:( 取得原価2千万円 - 残存価額ゼロ ) ÷ 耐用年数40年 = 500,000円

2.本棚(備品)の減価償却費:( 取得原価60万円 - 残存価額3万円(※) ) ÷ 耐用年数8年 × 6ヶ月(×1年10月~×2年3月)/12か月 = 35,625円
※残存価額:取得原価60万円 × 5% = 30,000円

まとめ

今回は有形固定資産の減価償却と仕訳について解説しました。反復演習で覚えていきましょう。

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