ストックオプションと基本仕訳|株式報酬費用・新株予約権

インセンティブ報酬

ストックオプションは定義・範囲が分かりにくく、さらに手続きには様々なケースが考えられるため、理解するには段階的に知識を積み上げて学習します。

本記事ではストックオプションの基本的な仕訳を解説します。

ストックオプションと基本仕訳|株式報酬費用・新株予約権勘定の使い方を解説

目次

ストックオプションとは

ストックオプションとは、企業が従業員等に報酬として付与する「一定の金額の支払により自社の株式を取得する権利」をいいます。

ストックオプションとして付与する権利は「新株予約権」を指すことが一般的です。

新株予約権との違い

新株予約権とは、株式会社が発行する権利であって、権利者が権利行使期間内に、権利行使価格を当該会社に出資することによって、当該会社の株式の交付を受けることができる権利をいいます。

以上の定義の通り、ストックオプションと新株予約権は同列に比較する用語ではなく、「インセンティブ報酬などとして従業員等に付与する場合」がストックオプションです。新株予約権は従業員以外にも付与できますが、この場合はストックオプションには該当しないため、ストックオプションに関する会計基準は適用しません。

※「ストックオプションに関する会計基準」の詳細は下記の記事を参照

取引内容

大きく分けて「権利確定日以前」と「権利確定日後」が存在します。

ストックオプションの権利確定以前には、ストックオプションを付与してから権利が確定するまでの期間の「従業員等が会社に提供するサービス(労働など)の額」を測定し、その提供する期間に応じて費用計上します。

次に権利確定日が到来した後には、従業員等が、サービスの見返りとして得た新株予約権を行使する際の仕訳処理を行います。

権利確定日以前と仕訳

「従業員の労働対価 = ストックオプションの公正な評価額」という関係から、会計期間中のストックオプションの公正な評価額を算定して、費用計上します。

費用計上には「株式報酬費用勘定(費用に属する勘定科目)」で借方記入し、貸方には「新株予約権勘定(純資産に属する勘定科目)」を記入して仕訳します。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
株式報酬費用×××新株予約権×××

権利確定日後と仕訳

権利行使時と権利行使期間の終了時とで仕訳が異なります。

権利行使時

従業員は新株予約権を行使して株式を取得します。新株発行の仕訳ですが、払込額の処理の他、権利確定日以前に「新株予約権」として計上した金額のうち、権利行使部分に対する金額を借方に計上します。当該処理が労働の見返りとして従業員が得た報酬に該当します。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
当座預金など×××資本金×××
新株予約権×××資本準備金×××

権利行使期間の終了

権利の未行使部分は失効になるため、失効した新株予約権の金額を「新株予約権戻入益勘定(収益に属する勘定科目)」に振り替えます。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
新株予約権×××新株予約権戻入益×××

会計基準

・ストック・オプション等に関する会計基準(企業会計基準第8号)
・ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針(企業会計基準適用指針第11号)

表示

貸借対照表上、「新株予約権」は純資産の部に区分表示します。次に損益計算書上、「株式報酬費用(人件費)」は通常、販売費及び一般管理費の区分に計上し、「新株予約権戻入益」は特別利益の区分に表示します。

仕訳例

  • 従業員に付与したストックオプション(権利確定前)の対価のうち、当期のサービス提供部分として算定した公正な評価額100を費用計上する。
借方科目借方金額貸方科目貸方金額
株式報酬費用100新株予約権100
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