新株予約権とは|勘定科目と仕訳方法を解説

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記事最終更新日:2022年10月5日
記事公開日:2022年7月4日

新株発行の手続きの1つに、新株予約権の行使があります。

ここでは新株予約権とは何かについて、勘定科目や仕訳方法も併せて解説します。

新株予約権とは

新株予約権とは、株式会社が発行する権利であって、権利者が権利行使期間内に、権利行使価格を当該会社に出資することによって、当該会社の株式の交付を受けることができる権利をいいます。

取引内容

新株予約権を引き受ける者を募集する「募集新株予約権の発行」と、株主に対して持ち株数に応じて無償で割り当てる「新株予約権無償割り当て」などの方法によって、新株予約権を割り当てます。

新株予約権を引き受けた者は、定められた行使期間中に権利行使することによって、定められた金額を払い込み株式を受け取れます。

権利行使期間中に権利行使しなかった場合は「失効」となり、権利を放棄したことになります。

ストックオプション

従業員等のインセンティブ報酬として新株予約権を付与する場合、特に「ストックオプション」といい、ストックオプションに関する会計基準が適用されます。

会計基準

※2022年10月5日現在。リンク先の会計基準等は最新版でない場合があります。

払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理(企業会計基準適用指針第17号)
自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準(企業会計基準第1号)
自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針(企業会計基準適用指針第2号)
貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準(企業会計基準第5号)
貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針(企業会計基準適用指針第8号)

発行(割当て)時の仕訳

新株予約権を割り当て、金銭の払い込みがあった場合、「新株予約権勘定(純資産に属する勘定科目)」で仕訳します。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
現金預金×××新株予約権×××

権利行使時(新株発行)の仕訳

一般の新株発行と同様に仕訳しますが、割当て時に貸方計上した「新株予約権」のうち、権利行使者に対応する金額を借方に記入し、当該金額も資本金・資本準備金に含める点が特徴です。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
現金預金×××資本金×××
新株予約権×××資本準備金×××

自己株式を処分する場合

新株発行の代わりに自己株式を処分する場合には、取得時に借方計上した「自己株式勘定(純資産に属する勘定科目)」のうち処分する数だけ帳簿価額で貸方に記入し、借方に記入した払込額、及び新株予約権の額との差額は「自己株式処分差損益勘定(純資産に属する勘定科目、その他の資本剰余金に分類)」として仕訳します。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
現金預金×××自己株式×××
新株予約権×××自己株式処分差益×××

※処分差益が発生した場合

権利行使期間が終了した場合

失効した新株予約権の金額を「新株予約権戻入益勘定(収益に属する勘定科目)」に振り替えます。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
現金預金×××新株予約権戻入益×××

取得者側の仕訳

発行者以外の者が新株予約権を取得した場合には、有価証券として処理します。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
その他有価証券×××未払金など×××

※その他有価証券として取得した場合

表示

貸借対照表上、「新株予約権」は純資産の部に「株主資本」とは独立して表示し、「自己株式処分差損益」は純資産の部のその他の資本剰余金に増減します。「新株予約権戻入益」は損益計算書上、特別利益として表示します。

仕訳例

  • 新株予約権の引き受けを募集した結果、払込額10が当座預金に振り込まれた。
借方科目借方金額貸方科目貸方金額
当座預金10新株予約権10
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