日商簿記2級 連結会計と決算手続き|親子会社、支配、F/S

更新日:2020年12月24日
公開日:2018年4月29日

前回は、本支店会計と仕訳について解説しました。

今回から連結会計について解説します。今回は連結会計の概要と決算手続きについて、親子会社や支配などの用語も含めて説明します。

連結会計とは

連結会計(れんけつかいけい)とは、親会社と子会社などからなる企業グループを1つの会社とみなして、連結財務諸表(連結決算書)を作成するための会計をいいます。

親会社と子会社とは

ある会社が他の会社を実質的に支配している場合に、支配する側の会社を「親会社(おやがいしゃ)」、支配される側の会社を「子会社(こがいしゃ)」といいます。

ここで、「実質的に支配している」とは、様々なケースが考えられますが、最も一般的なケースは、「子会社が発行している株式総数の過半数(かはんすう)を親会社が保有している状態」をいいます。

「過半数」とは半分を超えた状態です。例えば1,000株を発行している場合の500株を保有している状態、すなわち50%は過半数とはいえません。51%は過半数に該当します。

株式の過半数の保有は、子会社の株主総会のほとんどの決議を親会社の一存で決めることができる。ということを意味します。

株主総会のほとんどの決議は普通決議といって、株主総会に参加した株主の議決権数(ここでは、イコール株式数と考えて差し支えありません)のうち、過半数をもって決議します。従って過半数を保有しているということは普通決議はすべて親会社が決めることができる、ということを意味します。

※株主総会とは、会社経営に関する基本的事項の意思決定を行う、株式会社の根幹を成す組織体です。具体的には取締役や監査役の選任、利益の処分などを決議します。

以上から、株式数の過半数の保有は、その会社を実質的に支配している状態といえます。

連結財務諸表(連結F/S)とは

連結財務諸表(れんけつざいむしょひょう)とは、親会社が株主など外部の関係者に提出・報告することを目的として作成される、企業グループの財政状態や経営成績を表すための書類をいいます。

財務諸表は英語で「F/S(Financial Statement)」です。従って、「連結F/S(れんけつえふえす)」ということがあります。

連結財務諸表には「連結貸借対照表(れんけつたいしゃくたいしょうひょう)」、「連結損益計算書(れんけつそんえきけいさんしょ)」などがあります。

連結会計の特徴

連結会計は、親会社や子会社を同一の企業グループとして、1つの会社とみなします。

「1つの会社とみなす」ということは「親会社や子会社といった、企業グループ内の取引は、企業グループ内部の取引とみなす」ということです。

例えば、親会社が子会社に商品を販売した場合、個別の決算書では会社外部の取引として記帳します。従って、この取引は親会社の損益計算書では売上高と売上原価として集計し、子会社の貸借対照表に商品などの資産として集計します。

しかし、同一の企業グループとしてみる連結決算書では単に企業グループ間の内部取引とみなします。従って、連結決算書には親会社の損益計算書に集計した売上高や売上原価、および子会社の貸借対照表に集計した商品などの資産からは取引を削除するように、修正仕訳をきる必要があります。

このような修正仕訳を「連結修正仕訳(れんけつしゅうせいしわけ)」といいます。

上の例では、売上高や仕入(売上原価)、商品以外にも、掛け販売であれば親会社で売掛金、子会社で買掛金が発生します。従って、これらの債権債務も含めて相殺消去する(計上をゼロにする)ように連結修正仕訳をきる必要があります。

親会社でこの売掛金に対して貸倒引当金を設定していた場合には、その貸倒引当金も計上しないように修正しなければなりません。

親子会社間の内部取引には、商品販売と仕入の他にも、土地の取得と売却や配当金が代表的な例です。

連結修正仕訳には、企業グループ内部の取引に関するものの他に「資本連結(しほんれんけつ)」というものがあります。

親会社が子会社の株式を取得して実質的な支配を形成した時点からこれまでの資本(純資産)に関する取引を相殺消去するとともに、企業グループが保有する資本の部分とそれ以外の部分とを区分するために行う連結特有の仕訳をいいます。

連結決算手続き

連結決算手続きは、親会社と各子会社の決算手続きが完了して各社の財務諸表を事前に用意しておいてから開始します。

次に、上述で説明した資本連結や内部取引を調べて、連結修正仕訳を行います。

最後に合算した各社決算書に連結修正仕訳を反映し、その他連結財務諸表への表示科目の組み換え作業などを行い、連結財務諸表を作成します。

まとめ

今回は連結会計の概要と用語、連結決算手続きについて解説しました。連結会計の個別論点は大切ですが、概要についても押さえておきましょう。

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