103.連結会計の概要(簿記2級)

更新日:2019年9月26日
公開日:2018年4月29日

連結会計の概要

前回、「商業簿記入門その102~本支店会計と仕訳処理(2級)」では、本支店会計の概要とその仕訳処理について解説しました。

今回から連結会計について解説します。1回目の今回は連結会計の概要について解説します。




連結会計とは

連結会計(れんけつかいけい)とは、親会社と子会社などからなる企業グループを1つの会社とみなして、財務諸表(決算書)を作成するための会計処理をいいます。

親会社と子会社とは

ある会社が他の会社を実質的に支配している場合に、支配する側の会社を「親会社(おやがいしゃ)」、支配される側の会社を「子会社(こがいしゃ)」といいます。

ここで、「実質的に支配している」とは、様々なケースが考えられるのですが、最も一般的なケースは、子会社が発行している株式総数の過半数(かはんすう)を親会社が保有している状態をいいます。

「過半数」とは半分を超えた状態です。例えば1,000株を発行している場合の500株を保有している状態、すなわち50%は過半数とはいえません。51%は過半数に該当します。

株式の過半数を保有している場合とはどういうことかというと、子会社の株主総会のほとんどの決議を親会社の一存で決めることができる。ということを意味します。

株主総会のほとんどの決議は普通決議といって、株主総会に参加した株主の議決権数(ここでは、イコール株式数と考えて差し支えありません)のうち、過半数をもって決議します。従って過半数を保有しているということは普通決議はすべて親会社が決めることができる、ということを意味します。

商業簿記入門その95~株式会社と会社法(総論)(2級)」にて解説しましたが、株主総会とは、会社経営に関する基本的事項の意思決定を行う、株式会社の根幹を成す組織体です。具体的には取締役や監査役の選任、利益の処分などを決議します。

以上から、株式数の過半数を保有している場合には、その会社を実質的に支配している状態ということができます。




連結財務諸表(連結決算書)とは

連結財務諸表(れんけつざいむしょひょう)とは、親会社が株主など外部の関係者に提出・報告することを目的として作成される、企業グループの財政状態や経営成績を表すための書類をいいます。

連結財務諸表には、「連結貸借対照表(れんけつたいしゃくたいしょうひょう)」、「連結損益計算書(れんけつそんえきけいさんしょ)」などがあります。

連結会計の特徴

連結会計は、親会社や子会社を同一の企業グループとして、1つの会社とみなします。

「1つの会社とみなす」ということは、親会社や子会社といった、企業グループ内の取引は、企業グループ内部の取引とみなす、ということです。

従って、例えば親会社が子会社に商品を販売した場合には、個別の決算書では会社外部の取引として記帳されるため、親会社では売上高と売上原価が損益計算書に表示され、子会社では貸借対照表に商品などの資産が表示されます。

しかし、同一の企業グループとしてみる連結決算書では、単に企業グループ間の内部の取引とみなします。従って、連結決算書には、親会社の損益計算書に表示される売上高や売上原価、および子会社の貸借対照表に表示される商品などの資産には含めないように、修正仕訳をきる必要があります。

このような修正仕訳を「連結修正仕訳(れんけつしゅうせいしわけ)」といいます。

上述の例では、売上高や仕入(売上原価)、商品以外にも、例えば掛け販売であれば、親会社で売掛金が、子会社で買掛金が発生しますので、これらの債権債務を相殺消去する(計上をゼロにする)ように連結修正仕訳をきる必要があります。

さらに親会社でこの売掛金に対して貸倒引当金を設定していた場合には、その貸倒引当金も計上しないように修正しなければなりません。

また、連結修正仕訳には、企業グループ内部の取引に関するものの他に「資本連結(しほんれんけつ)」というものがあります。

これは、親会社が子会社の株式を取得して実質的な支配を形成した時点から、これまでの資本(純資産)に関する取引を相殺消去するとともに、企業グループが保有する資本の部分とそれ以外の部分とを区分するために行う連結特有の仕訳処理をいいます。

連結財務諸表(連結決算書)の作成手続き

連結財務諸表は、親会社と各子会社の個別の決算手続きが完了し、それぞれの財務諸表(決算書)が完成し、連結決算の手続き前に各社の財務諸表を事前に用意しておくことが、連結財務諸表作成の開始段階になります。

次に、上述で説明した資本連結や内部取引を調べて、連結修正仕訳を行います。

最後に合算した各社決算書に連結修正仕訳を反映し、その他連結財務諸表への表示科目の組み換え作業などを行い、連結財務諸表を作成します。




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まとめ

今回は連結会計の概要について解説しました。連結会計の個別論点は大切ですが、概要についても押さえておきましょう。







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