15-12 連結財務諸表
連結会計の最後の論点として、連結財務諸表を解説します。
連結財務諸表とは
連結財務諸表とは、親会社と子会社などの企業グループを1つの会社とみなして、企業グループ全体の財政状態や経営成績などを現した書類のことをいいます。
連結財務諸表には、財政状態を表す「連結貸借対照表」や経営成績を表す「連結損益計算書」などがあります。
連結財務諸表の作り方の流れ
連結財務諸表を作成するための手続きについて、一覧にまとめると次の通り。
各論点は、これまでに解説してきた通りです。
連結貸借対照表と連結損益計算書
上記の連結決算手続きによって、連結貸借対照表と損益計算書を作成します。
作成した連結貸借対照表と連結損益計算書の例を、掲載します。
表示の組み替え
個別の貸借対照表、損益計算書と異なり、連結貸借対照表、連結損益計算書の表示科目は、連結修正仕訳で使用する勘定科目と、ほとんど同じです。
異なる点について、解説します。
(1)非支配株主持分
連結貸借対照表では、「非支配株主持分」を、純資産の株主資本(利益剰余金の下)に表示します。
(2)利益剰余金
個別の貸借対照表では、「利益準備金」「繰越利益剰余金」「任意積立金」などを区分して表示しましたが、連結貸借対照表では、まとめて「利益剰余金」に統一します。
(3)税金等調整前当期純利益
個別損益計算書の「税引前当期純利益」は、連結損益計算書では「税金等調整前当期純利益」と表示されます。
(4)○○に帰属する当期純利益
連結損益計算書では、当期純利益の下に、「非支配株主に帰属する当期純利益」を表示し、さらに、「当期純利益」から「非支配株主に帰属する当期純利益」を差し引いた残高を、「親株主に帰属する当期純利益」と表示します。
まとめ
以上で、連結会計の解説を終了します。
次に、本書の最後の論点として、税効果会計を解説します。