15-10 土地の売買

連結会社間取引の1つである土地の売買取引について、概要と連結修正仕訳を、ダウンストリームとアップストリームとに分けて解説します。

取引例(ダウンストリーム)

今回の取引例は次の通り。

取引の確認

親会社から子会社へモノ(土地)を販売しているので、内部取引であり、かつダウンストリームに該当します。

次に、親会社には200円の利益が発生しました。子会社は外部に販売せず保有しているため、この利益200円は未実現利益です。

個別の仕訳

以下、財務諸表(決算書)上の表示科目で考えます。

個別の仕訳は次の通り。

<1.親会社の仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1-1土地1,000未払金1,000
1-2未収入金1200土地1,000
固定資産売却益200

<2.子会社の仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
2-1土地1,200未払金1,200

連結修正仕訳

次に、連結修正仕訳を1つずつ解説します。

(1)土地と固定資産売却益の消去

土地の増加部分200円と固定資産売却益200円が、内部取引によって発生した未実現利益によって、B/SとP/Lに影響を与える科目と金額です。

従って、この未実現利益は、連結修正仕訳によって相殺消去します。

土地のうち1,000円の部分も、内部取引に該当しますが、親会社の減少と子会社の増加が相殺され、結果として、B/S、P/Lに影響を与えないため、 連結修正仕訳には含めません。

<個別の仕訳(内部取引)>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1-2未収入金1200土地1,000
固定資産売却益200
2-1土地1,200未払金1,200

<連結修正仕訳-土地と固定資産売却益の消去>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1固定資産売却益200土地200

(2)未払金と未収入金の消去

もう1つが、債権債務の消去です。

このまま、連結B/S、P/Lを作成すると、内部取引で発生した未収入金1,200円と未払金1,200円をB/S計上した結果、資産と負債が、それぞれ1,200円増加します。

内部取引の影響は消去するため、次の通り連結修正仕訳を記帳します。

<個別の仕訳(内部取引)>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1-2未収入金1200土地1,000
固定資産売却益200
2-1土地1,200未払金1,200

<連結修正仕訳-未収入金と未払金の消去>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
2未払金1,200未収入金1,200

連結修正仕訳のまとめ-ダウンストリーム

以上をまとめると、次の通り。

<1.親会社の仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1-1土地1,000未払金1,000
1-2未収入金1200土地1,000
固定資産売却益200

<2.子会社の仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
2-1土地1,200未払金1,200

<3.連結修正仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3-1固定資産売却益200土地200
3-2未払金1,200未収入金1,200

取引例(アップストリーム)

親会社と子会社の立場を入れ替えたアップストリームは次の通り。

商品売買と同じく、ダウンストリームで仕訳した連結修正仕訳の部分は、アップストリームでも同じです。

<1.親会社の仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1-1土地1,200未払金1,200

<2.子会社の仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
2-1土地1,000未払金1,000
2-2未収入金1200土地1,000
固定資産売却益200

<3.連結修正仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3-1固定資産売却益200土地200
3-2未払金1,200未収入金1,200

次に、アップストリームだけが行う連結修正仕訳も、考え方は商品売買と同じです。

子会社で利益を計上した場合、「15-4 支配獲得後の利益配分」で解説した通り、次の連結修正仕訳を行います。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3-3非支配株主に帰属する当期純利益×××非支配株主持分×××

しかし、子会社の未実現利益200は、3-1で消去しました。すなわち、3-3では消去した未実現利益200の影響が含まれてしまっていることから、 この影響を消去しなければなりません。

すなわち、次の連結修正仕訳を記帳します。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3-4非支配株主持分40非支配株主に帰属する当期純利益40

計算:固定資産売却益200 × 非支配株主持分比率20% = 40

以上をまとめると、次の通り。

<1.子会社の仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1-1土地1,000未払金1,000
1-2未収入金1200土地1,000
固定資産売却益200

<2.親会社の仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
2-1土地1,200未払金1,200

<3.連結修正仕訳>

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3-1固定資産売却益200土地200
3-2未払金1,200未収入金1,200
3-4非支配株主持分40 ※非支配株主に帰属する当期純利益40

※ 固定資産売却益200円 × 非支配株主持分比率20% = 40円
3-3の仕訳はアップストリームだけの仕訳ではないため、掲載せず。

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