107.連結会社間取引の仕訳処理(土地の売却と取得、配当金の配当と受け取り)(簿記2級)

更新日:2019年9月26日
公開日:2018年4月30日

連結会社間取引の仕訳処理(土地の売却と取得、配当金の配当と受け取り)

前回、「商業簿記入門その106~連結会社間取引の考え方との仕訳処理(商品の販売と仕入れ)(2級)」では、連結会社間取引の考え方と、連結会社間取引のうち、商品販売と仕入れについて解説しました。

今回は連結会社間取引のうち、土地の売却と取得に関する取引、および配当金の配当と受け取りの連結修正仕訳について解説します。


連結会社間取引-土地の売却と取得に関する取引

例えば、当期に親会社が外部の取引先より1,000円で取得(代金は次期に支払い)した土地を、子会社に1,000円で売却(代金は次期に支払い)した場合を考えてみます。

1,000円で買って1,000円で売っているため、親会社では売却益は発生しません。

利益は発生していませんが、親会社と子会社とで土地の売買取引を行い、この土地は子会社が保有したままです。

従って、この取引は内部取引に該当するため、連結会計上は連結修正仕訳をきって、この取引の親会社と子会社の仕訳処理を相殺消去します。

前回に解説した方法と同様に連結修正仕訳を考えていきます。

(考え方の手順1)親会社と子会社の仕訳と財務諸表を書き、合算して修正前の連結財務諸表を書く

まずは親会社と子会社に分けて、今回の例について個別の仕訳と個別のB/S、P/Lを検討します。結果は次の通りになります。


(考え方の手順2)あるべき連結財務諸表を書く

次に、あるべき連結財務諸表を考えてみます。

あるべきは、最初の親会社が外部の取引先より土地を購入した取引のみが反映されている連結財務諸表です。親会社と子会社の土地の売買取引は内部取引に該当するため反映しません。

従って、次の通りになります。

(考え方の手順3)連結修正仕訳を検討して書く

最後に連結修正仕訳を考えてみます。結果は下の図の通りになります。

前回の商品の販売と仕入れの連結修正仕訳について解説を読んだ方は、今回の例が非常に易しく感じたと思います。


連結会社間取引-配当金の配当と受け取りに関する取引

例えば、子会社が、繰越利益剰余金より50の配当を行う場合を考えてみましょう。

親会社が80%の株式を取得しているとします。従って、20%の非支配株主が存在します。配当時は未払で処理し、当期中に普通預金より配当金の全額を支払ったとします。

この場合、内部取引に該当するのは親会社が子会社から受け取った配当だけです。非支配株主は親会社ではないので企業グループには属しておらず、従って非支配株主への配当は内部取引には該当しません。

(考え方の手順1)親会社と子会社の仕訳と財務諸表を書き、合算して修正前の連結財務諸表を書く

親会社と子会社に分けて、今回の例について個別の仕訳と個別のB/S、P/Lを検討します。

結果は次の通りになります。

親会社は子会社の株式の80%を保有する株主であるため、「配当金50 × 80% = 40」が親会社に配当されます。

留意点としては、まず、個別の仕訳では「繰越利益剰余金」と記入していますが、連結の問題では、貸借対照表(B/S)の純資産の株主資本は、資本金、資本剰余金、利益剰余金で表示します。

繰越利益剰余金は利益剰余金に含まれるので、子会社のB/Sは利益剰余金で表示しています。

同様に、仕訳上では現金や普通預金としていますが、貸借対照表では現金及び預金として表示します(勘定科目から表示科目への組み換え)。

(考え方の手順2)あるべき連結財務諸表を書く

結果は、次の通りになります。

まず、現金及び預金ですが、親会社と子会社の取引は内部取引ですので、連結財務諸表には反映させません。

一方で、非支配株主に支払う配当については反映させる必要があります。そこで、配当の支払い50のうち、非支配株主への支払い10( = 配当金50 × 非支配株主持分20% )は反映させる必要があるため、「現金及び預金 △10」を反映させます。

次に、連結B/Sの貸方「非支配株主持分 △10」を考えてみましょう。

子会社が配当すれば、子会社の利益剰余金が減少します。

「非支配株主持分」という科目は子会社の純資産のうち、非支配株主が所有する部分を表します。

子会社が親会社に行った配当は連結B/S、連結P/Lに反映しませんが、非支配株主への配当は内部取引ではないため反映させる必要があります。そして、配当は純資産である利益剰余金を減少させます。従って、配当によって、非支配株主持分は減少するため、連結B/Sにて「「非支配株主持分 △10」を表示します。

以上から、上の図の通りになります。


(考え方の手順3)連結修正仕訳を検討して書く

最後に連結修正仕訳を考えてみます。結果は下の図の通りになります。

配当の仕訳や非支配株主持分を理解していないと難しく感じるかもしれません。


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まとめ

今回は連結会社間取引のうち、土地の売却と取得、および配当金の配当と受け取りに関する連結修正仕訳について解説しました。連結会計は覚えることが多く、積み上げて理解する部分が他の論点に比べて多いです。難しいと感じた場合には、その都度、個別の論点(今回の例では配当の仕訳や非支配株主持分など)に戻って知識を定着させましょう。



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