2-2 資産・負債・純資産と収益・費用
次に仕訳や財務諸表と関係の深い5つの用語(簿記の5要素)を解説します。
資産・負債・純資産
この3つは貸借対照表に関係し、貸借対照表に表示する勘定科目は3つのうちどれかに分類されます。
それぞれの意味は次の通り。(例)の勘定科目は今後解説します。
<用語:資産>
- 資産(しさん)
- →会社の財産。お金がどれだけあり、また、将来、現金として入金されそうなお金や提供を受けるモノやサービスがどれだけあるのかを表す。
- (例)現金、預金、売掛金、商品、建物、備品、未収入金など
<用語:負債>
- 負債(ふさい)
- →会社の支払義務など。将来、支払いとして出金がありそうなお金や提供するモノやサービスがどれだけあるのかを表す。
- (例)買掛金、借入金、未払金など
<用語:純資産>
- 純資産(じゅんしさん)
- →資産から負債を差し引いたもの。資本(しほん)ともいう。お金をどれだけ出資者(株主)から預かっており、そのお金でビジネス活動を通じて累計でどれだけ儲かったか(または損したか)を表す。
- (例)資本金、利益準備金、繰越利益剰余金など
収益・費用
この2つは損益計算書に関係し、損益計算書に表示する勘定科目は2つのうちどちらかに分類されます。
それぞれの意味は次の通り。(例)の勘定科目は今後解説します。
<用語:収益>
- 収益(しゅうえき)
- →会社にお金が入ってくる要因のこと。
- (例)売上、受取利息、固定資産売却益など
<用語:費用>
- 費用(ひよう)
- →会社からお金が出ていく要因のこと。
- (例)売上原価、減価償却費、支払利息、固定資産売却損など
もう1つ、利益という用語もあります。
<用語:利益>
- 利益(りえき)
- →収益から費用を差し引いて求められる会社の儲け。損をした場合は、損失(そんしつ)という。
- (例)当期純利益、売上総利益、営業利益など
これらの各用語と仕訳の関係を表す「取引の8要素(次回解説)」を覚えることがたくさんの仕訳を覚える近道になります。
