2-5 帳簿組織

実際に仕訳や勘定元帳を記入する際には、より多くの情報を入力します。取引を記入するフォームの種類も様々です。

そこで今回は取引を記入する帳簿の種類について解説します。

帳簿

仕訳や勘定元帳といった取引を会計記録する場所を、帳簿(ちょうぼ)といいます。

帳簿という枠組みの中で仕訳や勘定元帳を説明する場合、仕訳や勘定元帳には、正式な名称があります。

仕訳は「仕訳帳(しわけちょう)」といい、勘定元帳は「総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)」といいます。

総勘定元帳の「総」は総合や全て、といった意味合いです。現金勘定、普通預金勘定、売上勘定、商品勘定、、、といったように取引の全ての勘定科目を勘定元帳にします。勘定科目の数だけTフォームを作って取引記入するということです。

仕訳帳や総勘定元帳を実際の仕事で記帳する場合には、日商簿記の本試験で出題される仕訳や勘定よりも多くの情報を記録します。

例えば、仕訳帳には「摘要(てきよう)」という取引の概要を記入する箇所や、「元丁(もとちょう)」という転記した総勘定元帳のページ数を記入する箇所があります。

以上から、前回「2-4 勘定元帳と転記」の説明に出てきた簿記の手続きは、「仕訳→仕訳帳」「勘定元帳→総勘定元帳」と書き換えて次の通り。

帳簿の体系と種類

帳簿には仕訳帳や総勘定元帳以外にも様々な種類があります。

取引を帳簿に記録する流れは、「取引 → 仕訳帳 →総勘定元帳」ですが、その他の帳簿とも、つながりがあります。

このように、取引を各帳簿の組み合わせで記録しておくことから、使用する帳簿群を総称して「帳簿組織(ちょうぼそしき)」といいます。

帳簿の体系と種類を下の表にまとめましたので、ご覧ください。

帳簿組織の体系と種類をまとめた表

仕訳帳と総勘定元帳は、どの会社でも使用され欠かせない帳簿であり、必ず作成します。「主要簿(しゅようぼ)」といいます。

次に、必ず記録する帳簿ではありませんが、会社によって作成しておく帳簿として「補助簿(ほじょぼ)」があります。

補助簿はさらに、「補助記入帳」と「補助元帳」に区別することができます。

補助記入帳(ほじょきにゅうちょう)とは、取引の詳細を日付順に記録しておく帳簿です。例えば、現金出納帳を使用する会社であれば、現金の増減が発生する取引の都度、仕訳帳と総勘定元帳(現金勘定)に記入するとともに、現金出納帳にも記入します。

補助元帳(ほじょもとちょう)とは、取引先別や商品別といった単位で記録しておく帳簿です。例えば、商品有高帳を使用する会社であれば、商品の仕入れや払い出しの都度、その会社が取り扱っている商品、ズボンメーカーであれば、ジーンズ、チノパン、カーゴパンツなど、ジーンズでもA製品、B製品、C製品といった種類毎に商品有高帳を記入します。

補助簿を記入する場合の簿記手続き

取引の中で補助簿を記入する場合には、日々の簿記手続きに補助簿の記入を追加します。

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