2-8 決算と用語

本章の最後の項として、決算と関係用語を説明します。

決算

財務諸表(貸借対照表と損益計算書)の対象とする取引の範囲を「決算(けっさん)」といいます。

通常は一年を決算の範囲とします。例えば「4月1日から翌年3月31日」「1月1日から12月31日」などです。

決算は会社が決めますが、「4月1日から翌年3月31日」が日本では多くなっています。外資系(海外の会社)では「1月1日から12月31日」が多いです。

期首、期中、期末、決算日

決算の開始日を「期首(きしゅ)」、決算期間中を「期中(きちゅう)」、決算最終日を「期末(きまつ)」といいます。

決算最終日は決算にとって特別な日であり、「決算日(けっさんび)」ともいいます。

例えば、決算が毎年4月1日から翌年3月31日の会社であり、現在が2020年7月の場合、

期首:2020年4月1日
期中:2020年4月2日から2021年3月30日
期末:2021年3月31日
決算日:2021年3月31日

を表します。

当期、前期、次期

当期(とうき)」は現在の決算、「前期(ぜんき)」は前回の決算、「次期(じき)」は次回の決算を、それぞれ表します。

例えば、決算が毎年4月1日から翌年3月31日の会社で、現在が2020年7月の場合、

当期:2020年4月1日から2021年3月31日
前期:2019年4月1日から2020年3月31日
次期:2021年4月1日から2022年3月31日

になります。

また、次期だけは「翌期(よくき)」ともいいます。

当期首・当期末

当期の期首を「当期首(とうきしゅ)」、当期の期末を「当期末(とうきまつ)」といいます。

「当期期首」「当期期末」という言い方もしないわけではありませんが、「当期首」「当期末」が一般的です。

同様に

前期ならば、「前期首(ぜんきしゅ)」「前期末(ぜんきまつ)
翌期ならば、「翌期首(よくきしゅ)」「翌期末(よくきまつ)

です。

「次期首」「次期末」という言い方は、一般的には使いません。

第○○期、○○年度、○○年○月期

いつの決算なのかを表し、「第10期決算」「2020年度決算」「2020年3月期決算」といった使い方をします。

第○○期」は会社を開始してから何回目の決算なのかを表します。例えば、2010年4月1日から開始した会社で、決算が毎年4月1日から翌年3月31日の場合、「第1期(だいいっき)」は「2010年4月1日から2011年3月31日」を表します。「第10期」は「2019年4月1日から2020年3月31日」です。

次に「○○年度」の○○の部分は、決算が開始した年を表します。例えば決算が毎年4月1日から翌年3月31日の場合、「2020年度」は「2020年4月1日から2021年3月31日」を表します。

○○年○月期」は反対に決算終了の年月を表した言い方です。例えば決算が毎年4月1日から翌年3月31日の場合、「2020年3月期」は「2019年4月1日から2020年3月31日」を表します。つまり、「2020年3月期」は「2019年度」と同じということです。従って上記の「2020年度」と同じなのは「2021年3月期」になります。

まとめ

簿記の基本は以上です。

次章から、勘定科目と仕訳について1つずつ解説していきます。

関連記事

\ SHARE /

仕訳問題(ランダム出題)