2-6 伝票
日商簿記3級では、仕訳、勘定元帳や補助元帳、補助記入帳の他にも、伝票の記入問題が出題されます。
※帳簿の説明のため、ここで解説しますが、解説していない仕訳が登場します。1周目では概要を把握し、2周目や問題演習の際に本格的に理解しながら読みましょう。
伝票とは
「伝票(でんぴょう)」とは、会社の取引を記録する会計フォームであり、仕訳帳の代わりに使用するものをいいます。
すなわち伝票を使用する場合、簿記の手続きの順番は次の通り。
<ポイント:簿記の手続き(伝票を使用)>
- 取引→伝票→総勘定元帳
補助簿を使用する場合は次の通り。
<ポイント:簿記の手続き(伝票+補助簿)>
- 取引→伝票→総勘定元帳→補助簿
伝票と種類
伝票の体系には3伝票制と5伝票制があるのですが、日商簿記3級では3伝票制が出題されます。
3伝票制には、入金伝票(にゅうきんでんぴょう)、出金伝票(しゅっきんでんぴょう)、振替伝票(ふりかえでんぴょう)という3種類の伝票があります。
<伝票の種類(3伝票制)>
- 入金伝票:現金が入る取引(入金取引)に使用する伝票
- 出金伝票:現金が出ていく取引(出金取引)に使用する伝票
- 振替伝票:入出金の取引以外の取引に使用する伝票
例1-入金伝票
取引例「売掛金100,000を現金で回収した。」
<仕訳>
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1001 | 現金 | 100,000 | 売掛金 | 100,000 |
<入金伝票>
借方は必ず現金勘定のため、貸方のみ記入します。
例2-出金伝票
取引例「備品50,000を現金で購入した。」
<仕訳>
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1001 | 備品 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
<出金伝票>
貸方は必ず現金勘定のため、借方のみ記入します。
例3-振替伝票
取引例「商品250,000を販売し、代金は掛けとした。」
<仕訳>
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1001 | 売掛金 | 250,000 | 売上 | 250,000 |
<振替伝票>
借方と貸方を両方記入します。
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