商業簿記2級 債務保証の仕訳処理

更新日:2019年9月18日
公開日:2017年12月16日

前回、「その44~修繕引当金と返品調整引当金の仕訳処理(2級)」では、修繕引当金と返品調整引当金の仕訳処理について解説しました。

今回は債務保証の仕訳処理について説明します。

債務保証とは

債務保証とは、債務者が返済できなくなった債務に対して、代わりに債務を返済するという契約を締結することをいいます。

債務保証の性質

債務保証の契約を債務者と締結した時点では、すぐに債務を返済しないといけない立場にはありません。

従って、債務を保証した会社は、債務保証の契約締結時点では、借入金や買掛金、支払手形といった債務が増加するわけではないため、「取引の8分類」に従った、「資産、負債、純資産(資本)、収益、費用」の増減に関する取引について仕訳処理を行う、という必要はありません。

※取引の8分類については、「商業簿記入門その5~取引と仕訳(3級)」で解説しています。よろしければご訪問ください。

しかし、将来的に債務が増加する可能性がある契約を締結したため、この事実をなんらかの方法で会計帳簿に記録しておきたい、という考えもあります。

そこで、取引の8分類には該当しませんが、それに準ずる取引として、仕訳処理を行うことで債務保証が発生した事実を会計帳簿に記録を残します。

債務保証の仕訳処理

債務保証が発生した場合には、「保証債務見返(ほしょうさいむみかえり)勘定」「保証債務(ほしょうさいむ)勘定」という勘定科目を使用して仕訳処理します。

上述した通り、債務保証は資産、負債、純資産(資本)、収益、費用のいずれにも該当せず、備忘録(=「メモ書き」、記録として残しておく、ということ)のために仕訳処理を行います。

具体的には債務保証の発生時には、借方に保証債務見返勘定を記入し、貸方に保証債務勘定を記入します。

債務者が無事に債務を返済したなど、債務保証が解消された場合には、この反対の仕訳をきることで、保証債務見返勘定と保証債務勘定の残高をゼロにします。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
債務保証の発生保証債務見返×××保証債務×××
債務保証の解消保証債務×××保証債務見返×××

勘定科目は、「債務保証」ではなく、どちらの勘定科目も「保証債務」です。債務が先で保証が後ろです。覚え間違いしないように。

また、「保証債務勘定」が貸方です。債務ではないといっても債務に近い性質なので、「債務の増加=貸方に記入→保証債務勘定を貸方に記入」と覚えましょう。

「保証債務見返」勘定は保証債務勘定と対になる勘定科目と覚えておきましょう。保証債務勘定がメイン、借方に記入する適当な科目がないため、「保証債務見返勘定」という勘定科目を作った、位のイメージで覚えておけばよろしいでしょう。

仕訳例

  • 1.A社は、B社が銀行より借り入れている借入金1千万円の保証人となる契約を締結した。
  • 2.A社は、B社より上述1.の借入金を返済したとの連絡を受けた。
No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1保証債務見返10,000,000保証債務10,000,000
2保証債務10,000,000保証債務見返10,000,000

まとめ

今回は債務保証の仕訳処理について解説しました。勘定科目名を逆さまに覚えないように気を付けましょう。

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