日商簿記2級 有形固定資産の割賦購入と仕訳

更新日:2021年1月4日
公開日:2017年12月30日

前回は有形固定資産の減価償却と仕訳について解説しました。

今回は有形固定資産の割賦購入と仕訳について説明します。

割賦購入とは

割賦購入(かっぷこうにゅう)とは、代金を分割払いにして購入することをいいます。

割賦購入の場合は支払が長期になるため、通常は支払いの中に購入代金だけでなく利息分が含まれます。

そこで、有形固定資産を割賦購入した場合には、支払の総額から利息部分を控除した金額(現金購入価額、げんきんこうにゅうかがく)を有形固定資産として計上するように仕訳する必要があります。

有形固定資産の割賦購入の仕訳

有形固定資産の購入であるため、建物、車両運搬具など有形固定資産の勘定科目を借方に記入します。

ただし記入する金額は支払総額ではなく、「利息を除いた現金で購入した場合の対価(現金購入価額)」です。なぜならば支払総額には利息が含まれるからです。

貸方は支払総額を営業外支払手形勘定や未払金など、支払方法に応じて仕訳します。

支払総額と現金購入価額との差額が利息部分です。

利息は時の経過とともに発生するため、購入時点では前払利息(前払費用でも可)勘定で処理しておき、毎月、支払利息勘定に振り替えます。

以上は分割払いの期間が1年以内の場合の仕訳処理です。

分割払いの期間が1年を超える場合の仕訳

分割払いの期間が1年を超える場合には、貸方は長期未払金勘定(負債に属する勘定科目)を使用します(手形支払の場合には営業外支払手形勘定を使用。長期営業外支払手形勘定という勘定科目はありません)。

利息部分は前払利息勘定ではなく、長期前払費用勘定で仕訳処理しておき、毎月(又は四半期や決算時など)、支払利息勘定に振り替えます。

決算時には1年以内に支払う部分については長期未払金勘定から未払金勘定に、長期前払費用勘定から前払利息勘定に振り替えます。

仕訳のまとめ

以上をまとめると次の通り。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
分割期間が1年以内割賦購入時建物、備品など×××営業外支払手形
又は未払金
×××
前払利息×××
支払利息計上時支払利息×××前払利息×××
分割代金支払時営業外支払手形
又は未払金
×××現金預金など×××
分割期間が1年超割賦購入時建物、備品など×××営業外支払手形
又は長期未払金
×××
長期前払費用×××
支払利息計上時支払利息×××長期前払費用×××
分割代金支払時営業外支払手形
又は長期未払金
×××現金預金など×××
決算時前払費用×××長期前払費用×××
長期未払金×××未払金×××

仕訳例

×1年10月1日 A社は工場で使用する機械設備を分割払いで購入した。詳細は次の通り。

  • ①支払代金として額面16万円の手形20枚を振り出す。支払期限は当月末日から毎月1枚ずつ到来し、最終の支払は×3年5月31日である。支払は当座預金より行う。
  • ②機械設備の現金購入価額:300万円

上述の取引について、1.購入時の仕訳 2.×1年10月30日の仕訳 3.×2年3月31日(決算整理仕訳)の仕訳をそれぞれきりなさい。ただし、支払利息の計上は毎月行うものとする。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1機械装置3,000,000営業外支払手形3,200,000
長期前払費用200,000
2営業外支払手形160,000当座預金160,000
支払利息10,000長期前払費用10,000
3前払利息1,920,000長期前払費用1,920,000

まとめ

今回は、有形固定資産の割賦購入と仕訳について解説しました。仕訳パターンは1年以内と1年超の区別や支払方法、利息計上のタイミングなどで何通りも考えられます。基本の型と勘定科目選択のポイントとなる部分を押さえておき、暗記だけに頼ることのないようにしましょう。

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