商業簿記入門その57~有形固定資産の割賦購入と仕訳処理(2級)

公開日:2017年12月30日

有形固定資産の割賦購入と仕訳処理

前回、「商業簿記入門その56~有形固定資産の減価償却と仕訳処理(3級)」では有形固定資産の減価償却とその仕訳処理について解説しました。

今回は有形固定資産の割賦購入と仕訳処理について説明します。

※簿記2級の論点になります。


割賦購入とは

割賦購入(かっぷこうにゅう)とは、購入代金を分割払いで購入することをいいます。

割賦購入の場合は支払が長期になるため、通常は支払いの中に購入代金だけでなく利息分が含まれます。

そこで、有形固定資産を割賦購入した場合には、支払の総額から利息部分を控除した金額(現金購入価額)を有形固定資産として計上するように仕訳処理する必要があります。

有形固定資産の割賦購入の仕訳処理

有形固定資産の購入であるため、建物、車両運搬具など有形固定資産の勘定科目を借方に記入します。

貸方には支払総額を営業外支払手形勘定や未払金など、支払方法に応じて記入します。

支払総額と現金購入価額との差額が利息部分になります。

利息は時の経過とともに発生するため、購入時点では前払利息(前払費用でも可)勘定で処理しておき、毎月、支払利息勘定に振り替えます。

ただし、分割払いの期間が1年を超える場合には、長期未払金勘定を使用します(手形支払の場合には営業外支払手形勘定を使用。長期営業外支払手形勘定という勘定科目はありません)。

また、利息部分は前払利息勘定ではなく、長期前払費用勘定で仕訳処理しておき、毎月(又は四半期や決算時など)、支払利息勘定に振り替えます。

決算時には、1年以内に支払う部分については長期未払金勘定から未払金勘定に、長期前払費用勘定から前払利息勘定に振り替えます。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
分割期間が1年以内割賦購入時建物、備品など×××営業外支払手形
又は未払金
×××
前払利息×××
支払利息計上時支払利息×××前払利息×××
分割代金支払時営業外支払手形
又は未払金
×××現金預金など×××
分割期間が1年超割賦購入時建物、備品など×××営業外支払手形
又は長期未払金
×××
長期前払費用×××
支払利息計上時支払利息×××長期前払費用×××
分割代金支払時営業外支払手形
又は長期未払金
×××現金預金など×××
決算時前払費用×××長期前払費用×××
長期未払金×××未払金×××

仕訳例

×1年10月1日 A社は工場で使用する機械設備を分割払いで購入した。詳細は次の通りである。
①支払代金として額面16万円の手形20枚を振り出す。支払期限は当月末日から毎月1枚ずつ到来し、最終の支払は×3年5月31日である。支払は当座預金より行う。
②機械設備の現金購入価額:300万円

上述の取引について、1.購入時の仕訳 2.×1年10月30日の仕訳 3.×2年3月31日(決算整理仕訳)の仕訳をそれぞれきりなさい。ただし、支払利息の計上は毎月行うものとする。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1機械装置3,000,000営業外支払手形3,200,000
長期前払費用200,000
2営業外支払手形160,000当座預金160,000
支払利息10,000長期前払費用10,000
3前払利息1,920,000長期前払費用1,920,000

まとめ

今回は、有形固定資産の割賦購入と仕訳処理について解説しました。仕訳処理のパターンは1年以内と1年超の区別や支払方法、利息計上のタイミングなどで何通りも考えられます。基本の型と勘定科目選択のポイントとなる部分を押さえておき、暗記だけに頼ることのないようにしましょう。


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