財務諸表の作成|区分、表示科目の組み替え

会計分析資料

記事最終更新日:2021年10月11日
記事公開日:2018年4月24日

財務諸表の作成(B/SとP/Lの区分、表示科目の組み替え)を解説します。

財務諸表の作成|区分、表示科目の組み替え

目次

財務諸表とは

財務諸表とは、会社に関係する様々な人々に対して報告するための書類のことをいいます。

財務諸表にはいくつかの種類がありますが、財務諸表の中で最も重要な書類は貸借対照表と損益計算書です。

貸借対照表と損益計算書とは

貸借対照表とは、ある時点の企業の財政状態を表した表のことをいいます。

損益計算書とは、ある期間の企業の経営成績を表した表のことをいいます。

表形式

勘定式報告式があります。

勘定式とは、Tフォームの表形式で、左側と右側に科目と金額を表示させる方法です。

報告式は、上から下に科目と金額を表示させる方法です。

2級で最も多い出題形式は、勘定式の貸借対照表と報告式の損益計算書です。

貸借対照表 損益計算書

区分表示

区分表示とは、貸借対照表(資産、負債、純資産)や損益計算書(収益、費用)を、会計ルールに基づいてグループ化して、グループが把握できるような方法で作成することをいいます。

損益計算書の表示区分は「段階利益(だんかいりえき)」ともいいます。

貸借対照表の区分表示

大分類中分類小分類
資産の部流動資産-
固定資産有形固定資産
無形固定資産
投資その他の資産
負債の部流動負債-
固定負債-
純資産の部株主資本資本金
資本剰余金
利益剰余金
評価・換算差額等その他有価証券評価差額金

損益計算書の区分表示(段階利益)

分類収益区分費用区分段階利益
営業損益売上高売上原価売上総利益
販売費及び一般管理費営業損益
経常損益営業外収益営業外費用経常利益
純損益特別利益特別損失税引前当期純利益
-法人税、住民税及び事業税当期純利益

表示科目の組み替え

組み替えとは、仕訳や勘定元帳上の勘定科目名を、表示科目の名称に変更することをいいます。

貸借対照表や損益計算書へ掲載する専用の科目を表示科目といいます。

複数の勘定科目を一つの表示科目に集約させる場合もあるため、この場合には表示させる金額も変更します。

B/S or P/L分類勘定科目B/S,P/L表示科目
貸借対照表資産現金、普通預金、当座預金など現金及び預金※1
繰越商品商品
売買目的有価証券など※2有価証券
未収〇〇未収収益
前払〇〇前払費用
満期保有目的債券、その他有価証券投資有価証券
子会社株式、関連会社株式関係会社株式
資産(控除科目)〇〇減価償却累計額減価償却累計額
負債前受〇〇前受収益
未払〇〇未払費用
損益計算書収益売上売上高
費用仕入期首商品棚卸高
当期商品仕入高
売上原価
期末商品棚卸高
収益または費用為替差損益為替差益または為替差損
  • ※1:複数の勘定科目の合計金額を、「現金及び預金」の表示科目として記入します。
  • ※2:「売買目的有価証券など」の「など」には、例えば1年以内に償還予定の満期保有目的債券が含まれます。
  • ※3:表に掲載されていない科目についても、問題の指示や解答用紙から推測して適切な科目を記入しましょう。

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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