88.帳簿の締め切りと英米式決算法(簿記3級)

更新日:2019年9月23日
公開日:2018年4月22日

帳簿の締め切りと英米式決算法(3級)

前回、「商業簿記入門その87~決算整理仕訳(2級)」では、簿記2級の決算整理仕訳について解説しました。

今回は、帳簿の締め切りの概要と英米式決算法について説明します。

※具体的な帳簿締め切りの方法については、「商業簿記入門その89~決算振替仕訳と元帳上での帳簿締め切り」にて解説しています。




帳簿の締め切りとは

帳簿の締め切り(ちょうぼのしめきり)とは、決算時の作業のうち、帳簿記入を完了させることをいいます。

決算手続き上の位置づけ

決算整理仕訳を行った後に、決算整理後の合計残高試算表を作成します。

その次に行う作業が帳簿の締め切りです。

帳簿の締め切りの方法

帳簿の締め切りには大きく分けて、「決算振替仕訳(けっさんふりかえしわけ)による方法」と「元帳上で締め切りを行う方法」の2つの方法が存在します。

勘定科目は、貸借対照表(B/S)の勘定科目(資産、負債、純資産)と損益計算書(P/L)の勘定科目(収益、費用)の2つに分けることができますが、B/SとP/Lの勘定科目に、どちらの帳簿の締め切り方法を使用するかによって、「英米式決算法」と「大陸式決算法」があります。




英米式決算法とは

英米式決算法(えいべいしきけっさんほう)とは、次の方法で帳簿を締め切る方法をいいます。

  • ・B/Sの勘定科目:元帳上で帳簿を締め切る
  • ・P/Sの勘定科目:決算振替仕訳によって帳簿を締め切る

資産、負債、純資産に属する勘定科目は、仕訳帳(または伝票)から振替仕訳を行うことなく、元帳(総勘定元帳だけでなく補助簿も含む)上で帳簿の締め切り作業を行います。

「取引→仕訳帳→元帳」という通常の帳簿への記帳とは異なる方法、といえます。

これに対して収益、費用に属する勘定科目は、仕訳帳(または伝票)に「損益勘定(その他に属する勘定科目)」という、帳簿締め切り専用の勘定科目に振り替える仕訳を行います。

「取引→仕訳帳→元帳」という通常の帳簿への記帳と同じ方法、といえます。

次に仕訳帳から元帳への転記を行います。

したがって、最初に仕訳帳(または伝票)に記帳し、次に仕訳帳(または伝票)から元帳に転記する、という通常の帳簿への記帳と同じ方法になります。

大陸式決算法とは

大陸式決算法(たいりくしきけっさんほう)とは、B/S、P/Lのどちらの勘定科目についても、決算振替仕訳による帳簿の締め切りを行う方法をいいます。

具体的には、資産、負債、純資産、収益、費用の勘定科目について、「残高勘定」という、帳簿締め切り専用の勘定科目に振り替える仕訳を行い、次に仕訳帳から元帳への転記を行います。

日本で採用される帳簿締め切りの方法

我が国では、英米式決算法で帳簿の締め切りを行うのが一般的です。

そこで、次回以降から、英米式決算法による帳簿の締め切り方法について詳細を解説していきます。




【補足】帳簿組織や決算手続きの学習について

※簿記3級の試験範囲外の内容ですが理解を促進します。

私がかつて、簿記の資格勉強をしていた頃に感じたからかもしれませんが、簿記を勉強されている方は帳簿組織や決算手続きの流れ、といった論点が苦手な方は多いと思います。

理由としては、仕訳処理のように具体的な話ではなく漠然としているから、ということなのでしょう。

皆さんもご存じの通り、試験で得点を稼ぐポイントは、いかに仕訳処理を正しく理解できているかどうかです。

従って、まずは仕訳処理を中心に、各論を理解していき、2,3週してから、帳簿組織や決算手続きを理解するように学習する、でよいのではないかと思います(それまでは暗記中心で構わない)。




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まとめ

今回は帳簿の締め切りと英米式決算法について概要を解説しました。次ページから帳簿の締め切りについて詳細を解説します。







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