商業簿記入門その84~試算表の作成(3級)

更新日:2018年4月25日 公開日:2018年4月21日

試算表の作成(3級)

前回、「商業簿記入門その83~火災保険(未決算勘定)の仕訳処理(2級)」では、火災保険の仕訳処理について解説しました。

今回は、試算表の作成について説明します。


試算表とは

試算表(しさんひょう)とは、決算時や月次、四半期などのタイミングで、決算書を作成する前の段階で、仕訳処理や総勘定元帳への転記など各取引の記帳の正確性を確認するとともに、各勘定科目を集計して全体を把握するために作成される表をいいます。

試算表の目的

試算表の目的としては、上述の通り、「仕訳帳(または伝票)や総勘定元帳への記帳の正確性を確認すること」や「残高を集計した全ての勘定科目を一つの表にまとめることで全体を把握すること」が挙げられます。

試算表の作成手続き

期中に記帳した総勘定元帳を基にして、合計残高試算表を作成します。

期中取引から、順を追って説明していきます。

(その1)期中取引

期中には、日々の取引を次の流れで会計帳簿に記録しています。

【記帳の流れ】
取引→仕訳帳(または伝票)→総勘定元帳

※補助簿は省略しています。

具体例として、「商業簿記入門その47~3分法による商品売買取引の仕訳処理(3級)」にて解説した仕訳例を掲載します。

(1)取引

A社の当期(×2年4月1日~×3年3月31日)における期中取引
0.期首の繰越商品残高は、20万円である。
1.A社はB社より商品30万円を掛けで仕入れた。
2.A社はC社へ商品80万円(仕入額60万円)を掛けで販売した。
3.A社はD社より商品130万円を手形を振り出して仕入れた。
4.A社はE社へ商品120万円(仕入額80万円)を販売した。代金はE社振出の手形を受け取った。

(2)仕訳

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
0仕訳なし
1仕入300,000買掛金300,000
2売掛金800,000売上800,000
3仕入1,300,000支払手形1,300,000
4受取手形1,200,000売上1,200,000

(3)総勘定元帳

3分法解説

(その2)決算日(試算表の作成)

決算日を迎えると、会社は決算書を作成するための作業( = 決算業務)を行います

決算業務のうちの最初の作業が試算表の作成です。

具体的には、総勘定元帳から試算表への転記です。

次の図は、売掛金の総勘定元帳から、合計残高試算表という最も一般的な形式の試算表への転記を例にしています。

試算表

転記の手順

①次期繰り越しの記帳前の総勘定元帳について、借方合計と貸方合計をそれぞれ、合計残高試算表の借方合計欄と貸方合計欄に記入します。
②借方合計と貸方合計の差額を、借方と貸方の多い側の残高欄に記入します。上図では売掛金の借方1,100,000円と貸方500,000円の差額600,000円を金額が多い借方側の残高欄に記入します。
③全ての勘定科目について、①と②の作業が終了した後に、一番下の行に各欄の合計を記入します。
④上図のように借方と貸方で合計欄も残高欄も金額が一致していることを確認します。一致していない場合には、どこかで転記が正確に行われていないことになります。


【補足1】「決算日の決算業務」という記述について

※これ以降は、簿記3級の試験範囲外の話になります。ご興味ある方はお読みください。

問題文や解説などで「決算日に決算仕訳をきる」といった言葉が記載されることがあります。

これは、決算整理仕訳を「決算日の日付」で伝票や仕訳帳に記帳すること、すなわち「決算日(の日付に)決算仕訳をきる」ということを意味します。

実務では決算日に決算業務を行うことはありません。

会社の規模や上場しているかどうかにもよりますが、3月31日が決算日の会社であれば、6月下旬に株主総会を行う会社が多いです。

そして、株主総会の開催前に、事前に株主に対して招集通知を送付しますが、その招集通知には決算書を添付することになっています。会社によって異なりますが、株主総会開催の1,2週間前までに発送します。

この株主総会の招集通知を送付する日までに、様々な手続きを経て決算書を作成することになります。

【補足2】会計システム上の合計残高試算表について

ITが発達した現在では、勘定奉行や弥生会計、freeeなどの会計システムを使用して記帳する会社がほとんどです。

会計システム上では、合計残高試算表はシステムが自動的に作成してくれるため、手作業で総勘定元帳から合計残高試算表への転記ということは行いません。

上述のような有名な会計システムのパッケージソフトであれば、まず間違いなく転記は正しく行われた合計残高試算表が画面に表示されるでしょう。

まとめ

今回は試算表の作成について解説しました。期中取引から試算表作成までの一連の流れをイメージし、問題演習をこなして覚えていきましょう。


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