商業簿記入門その49~売上帳と仕入帳の記帳方法(3級)

公開日:2017年12月16日

売上帳と仕入帳の記帳方法

前回、「商業簿記入門その48~仕入・売上の返品、値引きに関する仕訳処理(3級)」では、仕入れや売上取引のうち、返品及び値引きに関する仕訳処理について解説しました。

今回は売上帳と仕入帳の記帳方法について説明します。


売上帳、仕入帳とは

売上帳(うりあげちょう)とは、売上取引の明細を記入した帳簿です。

仕入帳(しいれちょう)とは、仕入取引の明細を記入した帳簿です。

売上帳も仕入帳も補助簿(補助記入帳)に分類されます。

すなわち主要簿である仕訳帳(又は伝票)や総勘定元帳を補う役割を果たす帳簿です。

売上帳、仕入帳を活用するメリット

取引を主要簿のみ(仕訳帳の代わりに伝票を使用する場合も含む)に記帳している場合には、記帳の流れは次の通りになります。

【記帳の流れ】
①取引→②仕訳帳(又は伝票)→③総勘定元帳

例えば仕入れや売上の取引を把握したい場合に、仕訳帳では取引の詳細が記載されていますが、他の取引も記載さているため、仕入や売上の取引だけを抽出するのに時間がかかります。

また仕入勘定や売上勘定の総勘定元帳を見れば、確かに取引は把握できますが、日付や金額、相手勘定は把握できても、どんな商品をどの会社からどれだけ仕入れたのか、販売したのか、といったことは把握することができません。

この点、売上帳や仕入帳を記帳しておけば、記帳作業は主要簿のみと比較して時間がかかりますが、仕入・売上取引の明細を把握することができます。

【記帳の流れ】
①取引→②仕訳帳(又は伝票)→③総勘定元帳→④売上帳・仕入帳


売上帳、仕入帳の記帳方法

売上帳と仕入帳のサンプルを掲載しましたので、ご参考ください。

売上帳

〇〇年摘要内訳金額
5 1B社
 ジーンズ  5本 @3,000円15,000
6C社
 スカート  8本 @5,000円40,000
 チノパン  6本 @3,500円21,00061,000
15D社掛戻り
 スニーカー  3足 @2,500円7,500
31総 売 上 高76,000
売 上 戻 り 高7,500
純 売 上 高68,500

仕入帳

〇〇年摘要内訳金額
5 3E社
 糸 1500m×100個 @500円50,000
12F社
 ミシン針  50本 @200円10,000
 布生地  10m×100枚 @300円30,00040,000
24G社掛値引
 ボタン  1,000個 @3円3,000
31総 仕 入 高90,000
仕 入 値 引 高3,000
純 仕 入 高87,000

以下、売上帳と仕入帳の記帳方法について簡単に説明します。

①販売、購入単位で記載する。
②摘要欄には取引先名や商品名、数、単価で記載する。
③摘要欄には、売掛金や買掛金を表すため「掛」「掛値引」「掛戻し」「掛戻り」といった文言を記載しておく。
④値引き、戻り(戻し)の場合には、朱記(赤文字で記載すること)する。
⑤月次などのまとまった期間で、総売上高(総仕入高)、売上値引高(仕入値引高)、売上戻り高(仕入戻り高)、純売上高(純仕入高)を記載する。


【補足】会計ソフト、業務アプリケーションによる売上帳、仕入帳の記帳について

※簿記試験の範囲外の内容です。ご興味ある方はお読みください。

売上帳や仕入帳の場合には、摘要欄に記入する項目が多いため、会計ソフトの伝票(仕訳帳)の摘要欄では文字入力数に制限があり対応できないでしょう。

そこで、例えばExcelなどのソフトを使用して売上帳や仕入帳を作成して管理する、という方法が挙げられます。

より大規模な会社になれば、単体のPC上にて販売管理ソフトや購買管理ソフトを使用する場合もあれば、独自の業務系アプリケーションを使用し、売上帳、仕入帳のデータ自体はサーバ上でデータベース化している場合など様々なケースが考えられます。

このようにITシステムで電子データとして売上帳や仕入帳を作成していると、売上帳や仕入帳のデータをそのまま会計ソフトにインポートする(流し込む)ことで会計伝票の記入(又は仕訳帳記入)が作成できてしまいます。

Excelで売上帳や仕入帳を作成している場合でも、VBA(プログラミング言語)を活用すれば、一瞬で会計ソフトにインポートするためのデータを作成することも可能です。

会計ソフトには、伝票(仕訳帳)を作成すれば、自動的に総勘定元帳を作成する機能があるため、売上帳や仕入帳を作成すれば、売上・仕入に関する伝票(仕訳帳)と総勘定元帳も作成できたも同然なのです。

このように、紙面で売上帳や仕入帳を作成した場合には伝票(仕訳帳)、総勘定元帳、売上帳・仕入帳という3種類の帳簿への記入が必要ですが、ITシステムを活用すれば、大幅に記帳作業を効率化することができます。

まとめ

今回は仕入・売上取引のうち、返品と値引きに関する仕訳処理について解説しました。難しいことはありませんので覚えてしまいましょう。


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