3-3 現金出納帳

ここでは、補助簿の1つである現金出納帳を解説します。

※勘定元帳と同じく、第2問では補助簿の記入問題が出題されます。問題演習で覚え、分からなかっ点について、本書で確認しましょう(他の補助簿も同様)。

現金出納帳とは

現金出納帳(げんきんすいとうちょう)とは、補助簿のうちの1つです。

現金取引の詳細を1つの帳簿に、まとめて記録する場合に使用します。

帳簿には大きく分けて「主要簿」と「補助簿」があります。

主要簿は、仕訳帳や総勘定元帳です。仕訳帳を利用する代わりに伝票を使用する場合もあります。

会社の日々の取引は、紙面で帳簿を作成する場合には、まず仕訳帳(または伝票)に記入し、次に総勘定元帳に記入します

帳簿は、主要簿だけでなく補助簿を併せて使用することができます。

補助簿である現金出納帳を使用する場合の記帳の流れは、次の通りになります。

このように取引は、仕訳帳(または伝票)に記帳し、仕訳帳の内容を総勘定元帳と現金出納帳に転記します。

※主要簿・補助簿など、帳簿組織の総論は、「2-5 帳簿組織」を参照

現金出納帳の記帳例

現金出納帳と記帳について掲載しましたので、ご覧ください。

現金出納帳の記入例

ポイント

現金出納帳には、仕訳帳のうち現金取引のみを転記します。

つまり、仕訳帳の借方と貸方を見て、現金勘定の記載がある取引だけを現金出納帳に記帳します。

役割・メリット

現金出納帳のメリットは、現金取引に関して、1つの帳簿で仕訳帳と総勘定元帳の両方の役割を果たすことができることです。

仕訳帳は、取引の詳細を摘要に記入できますが、現金取引以外の取引も記入されているため、現金取引のみを見たい場合には向きません。

総勘定元帳は、現金勘定を見れば借方(現金の増加)と貸方(現金の減少)の金額と相手勘定科目が分かります。しかし、摘要欄がないため、取引の詳細は把握できません。

現金出納帳の使用は、記帳の負担が増えますが、現金取引を把握するには最も役立つ帳簿といえます。

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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