商業簿記入門その10~現金出納帳の記帳方法(3級)

更新日:2018年9月16日 公開日:2017年8月5日

現金出納帳の記帳方法

前々回「商業簿記入門その8~現金の範囲、小切手の振出と管理、仕訳処理(3級)」と前回「商業簿記入門その9~現金(為替証書、配当金領収証、公社債利札の仕訳処理)」では、現金の範囲と仕訳処理について解説しました。

今回は、現金出納帳について説明します。


現金出納帳とは

現金出納帳(げんきんすいとうちょう)とは、「商業簿記入門その7~帳簿(仕訳帳と総勘定元帳)と伝票(3級)」にて説明した補助簿のうちの1つです。

現金取引の詳細を1つの帳簿に、まとめて記録する場合に使用します。

帳簿には大きく分けて「主要簿」と「補助簿」があります。

主要簿には、仕訳帳や総勘定元帳が存在します。また、仕訳帳を利用する代わりに、伝票を使用する場合もあります(こちらが主流。会計ソフトでも通常は伝票形式の画面に入力していきます)。

会社の日々の取引は、紙面で帳簿を作成する場合には、まず仕訳帳に記入し、次に総勘定元帳に記入します

※会計ソフトを使用する場合には仕訳帳であれ、伝票であれ、どちらかに入力すれば自動的に総勘定元帳も作成されます)。

【記帳の流れ】取引→仕訳帳(または伝票)→総勘定元帳

帳簿は、主要簿だけでなく補助簿を併せて使用することができます。

補助簿である現金出納帳を使用する場合の記帳の流れは、次の通りになります。

【記帳の流れ】取引→仕訳帳(または伝票)→総勘定元帳・現金出納帳

このように取引はまず仕訳帳(または伝票)に記帳し、仕訳帳の内容を総勘定元帳と現金出納帳に転記します。


現金出納帳の記帳例

現金出納帳と記帳について掲載しましたので、ご覧ください。

平成29年摘要収入支出残高
8月1日前月繰越150,000150,000
8月5日切手を購入1,000149,000
8月12日A商店より売掛金を回収35,000184,000
8月19日B商店より小切手を受け取る70,000254,000
8月26日C会社へ買掛金の支払98,000156,000
8月31日次月繰越156,000
255,000255,000
9月1日前月繰越156,000156,000

記帳のポイントですが、現金出納帳には仕訳帳のうち、現金取引のみを転記します。

つまり、仕訳帳の借方と貸方を見て、現金勘定の記載がある取引だけを現金出納帳に記帳します。

現金出納帳のメリットは、現金取引に関して、1つの帳簿で、仕訳帳と総勘定元帳の両方の役割を果たすことができることです。

仕訳帳は、取引の詳細を摘要に記入することができますが、現金取引以外の取引も記入されているため、現金取引のみを見たい場合には向きません。

一方で、総勘定元帳は現金勘定を見れば、借方(現金の増加)と貸方(現金の減少)の金額と相手勘定科目が分かります。しかし、摘要欄がないため、取引の詳細は把握できません。

現金出納帳の使用は、記帳の負担が増えますが、現金取引を把握するには効果を発揮します。


【補足】会計ソフトによる補助簿の入力について

会計ソフトでは、何かの帳簿形式画面で取引を入力すると、データベース化されます。

この場合のデータベース化とは、簡単に言えば、一度、取引データを入力すれば、別の帳簿や伝票画面でも、その取引データが反映されることをいいます。

従って、仕訳帳や伝票の画面上から、取引を入力してしまえば、紙面ベースでは、転記作業が必要であった総勘定元帳や現金出納帳などの補助簿ですが、会計ソフトでは、再度入力しなくてもよいということです。

これは総勘定元帳や現金出納帳だけでなく、その他の補助簿にも当てはまります。

会計ソフトの導入によって、記帳作業はより短時間で行うことができる、ということです。

まとめ

今回は現金出納帳について解説しました。

前々回と前回で、現金の範囲と仕訳処理について解説しました。今回の現金出納帳と併せて、繰り返し問題演習を行って、頭に定着させましょう。


戻る | 次へ

一覧


【運営者情報・免責事項】





関連リンク

会計入門
~実務に役立つ会計の入門

決算書が読めるようになるサイト。「実務に役立つシリーズ」第1弾!!

原価計算入門
~簿記資格の学習を支援

衣服メーカーを例に分かりやすく解説。「実務に役立つシリーズ」第2弾!!

会計ヘッジ
将来リスクを回避するためのサイト

会計、簿記、経理、税務、起業など、トピックやトレンドも含め、様々な情報を配信

日商簿記検定の勉強におすすめの過去問題集

日商簿記検定だけでなく、どの資格試験でも過去問を解くことは有効な勉強方法です。日商簿記検定の過去問の入手方法は次の通り。(1)WEB(解答や分析・傾向のみ)・・・

日商簿記検定2級|次回の試験情報(出題論点など)

商工会議所サイトには改正論点のサンプル問題や出題範囲変更箇所が掲載されています。使用する勘定科目も変更するので、過去問の出題意図も含めて・・・

日商簿記検定2級の合格に必要な勉強時間とは

個々人によって勉強時間は異なるのは当然ですが、合格するのに必要とされる標準的な勉強時間を知らないと学習スケジュールを立てることができません。日商簿記検定2級は・・・

個人事業主の開業手続に必要な書類(所得税、社会保険、消費税など)

個人事業主として開業するためには、法人ほど厳格な手続きは必要ありません。しかし、税務や社会保険に関する所定の手続きは存在します。ビジネスの最初のステップであり、誰もが・・・

個人事業主が開業前支出を必要経費として所得税確定申告する方法(範囲と仕訳)

個人事業主として事業を開始するためには開業手続きを行う必要があります。具体的には開業届けを税務署に届け出ることで事業開始の日付を定めます。しかし、開業する前の準備のために・・・

個人事業主とフリーランスの納税地の選び方と引っ越し時の手続き

個人事業主やフリーランスは毎年、所得税の確定申告を行いますが、その際に提出先となる所轄の税務署を決めるのが「納税地」です。ここでは、納税地の選び方と・・・

商業簿記入門その11~現金過不足と仕訳処理(3級)

現金過不足とは、帳簿上の現金残高と実際の現金有高に差異があることをいいます。実務上で現金過不足が発生した場合には、一時的に・・・

商業簿記入門その12~当座預金と仕訳処理(3級)

当座預金とは、会社や個人事業主が支払い専用の預金口座として、銀行と当座取引契約に基づいて開設する預金口座です。当座預金口座・・・

商業簿記入門その13~当座借越の仕訳処理と当座預金出納帳(3級)

当座借越とは、当座借越契約を銀行と契約締結している場合に、銀行に立て替えてもらうことによって、預金残高を超えて小切手を・・・

商業簿記入門その14~小口現金と仕訳処理、小口現金出納帳(3級)

小口現金とは、切手、ハガキなど文房具の購入や経費精算など、日常的な会社活動で発生する少額の現金取引に利用するために、現金のうち・・・

商業簿記入門その15~銀行勘定調整表(2級)

銀行勘定調整表とは、主に当座預金の残高を分析するために作成する表であり、銀行が発行する残高証明書と会社が把握している帳簿残高・・・