8-5 商品有高帳と先入先出法・移動平均法
商品勘定の補助簿である商品有高帳と商品の計算方法である先入先出法、移動平均法について解説します。
商品有高帳とは
商品有高帳(しょうひんありだかちょう)とは、商品の種類ごとに明細を記入した帳簿です。
商品有高帳は補助簿(補助元帳)に分類されます。
すなわち主要簿である仕訳帳(又は伝票)や総勘定元帳を補う役割を果たす帳簿です。
商品有高帳を作成することで、商品の種類別に商品の増減に関する取引を把握することが容易になります。
一方で、商品有高帳という帳簿を追加して作成するため、主要簿(又は伝票)のみを作成していた場合と比較して、記帳作業は増えます。
<ポイント:簿記の手続き(商品有高帳)>
- 取引→仕訳帳(伝票)→総勘定元帳(商品勘定、売上勘定、仕入勘定)→商品有高帳
商品有高帳の記帳方法
商品有高帳のサンプルを掲載します。
<商品有高帳>

ポイント
商品有高帳の記帳方法のポイントは次の通り。
<ポイント:商品有高帳の記帳方法>
- (1)1つの商品につき1つの商品有高帳を記入する
- (2)単価は仕入単価を記入。販売額で記入しないこと
- (3)次期繰越欄は朱記
- (4)次期繰越の次の行に数量と金額の合計を記入
商品有高帳の単価計算
上述の商品有高帳では単価は全て2,000円であるため問題とはなりませんが、複数の単価で仕入れる場合もあります。
複数の単価で仕入れた場合に「払出の単価をどうするのか」を決める必要があります。
この払出単価を決める方法として、先入先出法と移動平均法があります。
取引例
次の設例について、それぞれの方法で商品有高帳を記入してみます。
- A社の当期5月の商品取引は次の通りである。
- 前月繰越は数量100 単価2,000円である。
- 5月 6日 数量200を単価1,850円で仕入れた。
- 5月10日 数量150を販売した。
- 5月18日 数量100を単価2,400円で仕入れた。
- 5月26日 数量150を販売した。
先入先出法
先入先出法(さきいれさきだしほう)とは、先に仕入れた商品から先に払い出すと仮定して単価を決める方法をいいます。
先入先出法による商品有高帳は次の通り。
<商品有高帳(先入先出法)>

先入先出法のポイント
販売日の10日を見ると、150の販売のうち先に仕入れた単価2,000の商品が100残っているので、これを払い出します。次に5月6日に仕入れた単価1,850円の商品を50だけ払い出します。
26日の販売も同様に考えます。残高のうち6日に仕入れた単価1,850円の商品が150残っているので、これを全て払い出すように記帳します。
移動平均法
移動平均法(いどうへいきんほう)とは、払い出す度に残高の平均を計算して払出単価を決める方法をいいます。
移動平均法による商品有高帳は次の通り(同じ設例で解説します)。
- <取引例(再掲)>
- A社の当期5月の商品取引は次の通りである。
- 前月繰越は数量100 単価2,000円である。
- 5月 6日 数量200を単価1,850円で仕入れた。
- 5月10日 数量150を販売した。
- 5月18日 数量100を単価2,400円で仕入れた。
- 5月26日 数量150を販売した。
<商品有高帳(移動平均法)>

移動平均法のポイント
移動平均法の場合には、仕入れた時の残高欄に平均単価を計算して、その単価で商品を記入します。
例えば6日の仕入日の場合、次の計算を行って平均単価を求めます。
( 前月繰越残高の商品金額200,000円 + 6日仕入の商品金額370,000円 ) ÷ ( 前月繰越残高の商品数量100 + 6日仕入の商品数量200 ) = 1,900円
18日も同様に計算して商品単価2,100円を残高の単価欄に記入しています。
