個別仕訳問題3-貸倒引当金(5問)
公開日:2025年7月6日
日商簿記3級本試験レベルの「貸倒引当金」の仕訳問題(易・標準)を中心に掲載しています。利用者が増えればより早くより良いコンテンツを提供していきます。良いコンテンツと思われた場合には積極的にWEBやSNSでの拡散をお願いします。
出題内容と使い方(共通)
※他の論点別仕訳問題ページと共通
出題内容・使い方
- ・他の簿記サイトや書籍と比較して、本試験レベルの中での「やや難から難」レベルの問題を多く出題
- →難しい問題を解くことで合格する力を身につける
- ・ネット試験形式。勘定科目はプルダウンの選択肢から選択
- ・(参考・息抜き)日商簿記の仕訳ルールや勘定科目の説明、解き方やビジネス・経営用語なども解説
想定ユーザー
- ・簿記3級テキストを少なくとも一周し、基本仕訳を網羅的に学習した方
- ・「取引の8要素(ホームポジションでも可)」が分かる方
<取引の8要素>
3-1.債権の貸倒れ1
- 前年度に売り上げた売掛金¥150,000が貸し倒れとなった。貸倒引当金の残高は¥120,000である。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
貸倒引当金 | 120,000 | 売掛金 | 150,000 |
貸倒損失 | 30,000 |
3-1.解説
売掛金¥150,000が貸し倒れたため、売掛金の減少として売掛金¥150,000を貸方に記入します。次に借方は残高として残っている貸倒引当金¥120,000を貸し倒れに充てるため、借方に記入するとともに、未処理の部分¥30,000(¥150,000-¥120,000)は貸倒損失の発生として借方に記入します。
3-2.債権の貸倒れ2
- 得意先である甲社が倒産し、同社に対する売掛金¥270,000のうち、¥200,000は同社に対する買掛金と相殺し、残額について貸し倒れとして処理した。なお、貸倒引当金の残高は¥100,000である。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
買掛金 | 200,000 | 売掛金 | 270,000 |
貸倒引当金 | 70,000 |
3-2.解説
貸し倒れた売掛金¥270,000のうち、¥200,000は買掛金と相殺します。つまり甲社は得意先であると同時に仕入先でもあったという問題の設定です。
次に残りの¥70,000について貸倒引当金¥100,000より¥70,000を充当すべく借方に貸倒引当金¥70,000を記入します。
3-3.貸倒れ処理した債権の回収
- 過年度に貸し倒れ処理した売掛金¥300,000について、本日、当該得意先の清算が行われた結果、当社に¥20,000の分配がなされ当社の普通預金口座に振り込まれた。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
普通預金 | 20,000 | 償却債権取立益 | 20,000 |
3-3.解説
普通預金に¥20,000の入金があったため、借方には普通預金¥20,000の増加として記入します。次に貸方ですが、過去に貸し倒れた売掛金¥300,000は既に次の仕訳で残高が残っていません(全て貸倒損失として処理したと仮定)。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
貸倒損失 | 300,000 | 売掛金 | 300,000 |
そこで、代わりの勘定科目として「償却債権取立益(収益に属する勘定科目)」の発生として貸方に同額の¥20,000で記入します。
3-4.貸倒引当金の計上1
- 決算を迎えた。売掛金および受取手形の期末残高に対して3%の貸倒引当金を差額補充法によって計上する。
- (決算整理前残高試算表上の残高)
- 売掛金¥1,000,000 受取手形¥500,000 貸倒引当金¥27,000
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
貸倒引当金繰入 | 18,000 | 貸倒引当金 | 18,000 |
3-4.解説
決算整理仕訳のうち、貸倒引当金の計上の問題。簿記3級では差額補充法で貸倒引当金を計上します。
貸倒引当金設定額=(売掛金残高¥1,000,000+受取手形残高¥500,000)×3%=¥45,000
貸倒引当金繰入=設定額¥45,000-残高¥27,000=¥18,000
3-5.貸倒引当金の計上2
- 決算手続きにおいて、売掛金の期末残高¥1,400,000及び電子記録債権の期末残高¥380,000の合計額に対して2%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。貸倒引当金残高¥41,000
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
貸倒引当金 | 5,400 | 貸倒引当金戻入 | 5,400 |
3-5.解説
本問では、貸倒引当金の設定額¥35,600が貸倒引当金残高¥41,000を下回ります。貸倒引当金残高が多すぎるため、差額¥5,400について、貸倒引当金を借方に記入して減少させるとともに、貸方には貸倒引当金戻入(収益に属する勘定科目)の発生として記入します。
貸倒引当金設定額=(売掛金¥1,400,000+電子記録債権¥380,000)×2%=¥35,600
貸倒引当金戻入=残高¥41,000-設定額¥35,600=¥5,400
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