個別仕訳問題4-金銭の貸借・商品券(6問)

公開日:2025年7月6日

日商簿記3級本試験レベルの「金銭の貸借・商品券」の仕訳問題(易から難まで)を中心に掲載しています。利用者が増えればより早くより良いコンテンツを提供していきます。良いコンテンツと思われた場合には積極的にWEBやSNSでの拡散をお願いします。

出題内容と使い方(共通)

※他の論点別仕訳問題ページと共通

<取引の8要素>

「取引の8要素」のイメージ画像

4-1.金銭の貸付

  • OODA商事株式会社に金銭¥750,000を貸し付けるため、同社振出しの約束手形を受け取った後、当社の普通預金口座より同社指定の預金口座へ振り込んだ。なお、利息は返済時に受け取る。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
手形貸付金
750,000
普通預金
750,000

4-1.解説

金銭の貸し付けに際して、「同社振出しの約束手形を受け取った」との記載から「貸付金」ではなく「手形貸付金」の増加として¥750,000で借方に記入します。普通預金口座から出金しているため、貸方は普通預金になります。

次に利息については「なお、利息は返済時に受け取る」と問題文にあるため、貸付時の本問では仕訳は記入しません。

4-2.利息の計上(決算整理仕訳)

  • 次の決算整理事項から適切な仕訳を示しなさい。
  •  利息の未収分として¥25,000を計上する。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
未収利息
25,000
受取利息
25,000

4-2.解説

問題文の「利息の未収分」から当社が利息を受取る側(つまり貸付側)であることを読み取ります。次に「¥25,000を計上する」から、受取利息を計上すれば良いことが分かります。従って、貸方に受取利息¥25,000の発生として記入します。

借方ですが、当該利息は「未収分」であるため、選択肢の中から「未収利息(未収収益 資産)」を見つけ、借方記入であれば資産の増加となるため適切であると考えて当該科目を選択します。

4-3.借入と利息の計上

  • 甲商店から¥2,000,000を借用証書(借入期間9ヶ月、年利率3%)により借り入れ、本日、当社の当座預金口座に利息が差し引かれた残額が振り込まれた。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
当座預金
1,955,000
借入金
2,000,000
支払利息
45,000

4-3.解説

借入時に利息を計上する問題。仕訳パターンを知らない人でも次のように考えれば正解にたどり着けます。

問題文から「¥2,000,000を借用証書で借り入れた」ことを読み取り、手形の記載がないことから、「手形借入金」ではなく「借入金」の増加として貸方に¥2,000,000を記入します。

次に「当社の当座預金口座に利息が差し引かれた残額が振り込まれた」との記載から、¥2,000,000全額ではなく利息(金額は不明)を差し引いた残りの金額が当座預金に振り込まれたと理解します。従って現段階で次の仕訳になります。

<ここまでの仕訳(未完成)>

借方科目金額貸方科目金額
当座預金
借入金
2,000,000
支払利息

次に支払利息を計算します。「¥2,000,000を借用証書(借入期間9ヶ月、年利率3%)」の部分から、次の通り。
 支払利息=借入金¥2,000,000×年利率3%×借入期間9ヶ月/年間12ヶ月=¥45,000

最後に当座預金¥1,955,000(¥2,000,000-¥45,000)を計算し、支払利息とともに記入すれば完成です。

<完成した仕訳(=解答)>

借方科目金額貸方科目金額
当座預金
1,955,000
借入金
2,000,000
支払利息
45,000

4-4.借入金の返済

  • 取引銀行から借り入れていた¥3,500,000の返済日が到来したため、利息と元本の合計額を普通預金口座より返済した。利息は年利率5%、借入期間146日、1年を365日として日割りで計算すること。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
借入金
3,500,000
普通預金
3,570,000
支払利息
70,000

4-4.解説

問題文から借入金の返済であること、さらに手形の受渡に関する記載がないため、「手形借入金」ではなく「借入金」の減少として借方に¥3,500,000で記入します。

次に利息を計算します。月割りでなく日割りであり、問題文の「1年を365日とする」から、月割りでは12で除する部分を365で除します。他の部分は月割りと同じ計算式で解けます。計算結果である¥70,000で支払利息を借方に記入します。
 支払利息=¥3,500,000×年利率5%×借入期間146日/365日=¥70,000

最後に支払い方法として普通預金の減少¥3,570,000(借入元本¥3,500,000+支払利息¥70,000)を貸方に記入します。

4-5.役員・従業員への貸付

  • 当社の取締役に¥250,000を、従業員に¥50,000をそれぞれ現金で貸し付けた。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
役員貸付金
250,000
現金
300,000
従業員貸付金
50,000

4-5.解説

選択肢に「貸付金」がなく「役員貸付金」「従業員貸付金」があることから、それぞれ借方に記入して仕訳します。

4-6.商品券の精算

  • 得意先への商品販売の代金として受領した商品券¥100,000について、発行会社の店舗に持参して精算し、現金を受け取った。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
現金
100,000
受取商品券
100,000

4-6.解説

問題文の「精算」とは、本問の場合では商品券を現金に換金したことを意味します。従って、借方に現金¥100,000の増加として記入するとともに、貸方に受取商品券¥100,000の減少として記入します。

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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