個別仕訳問題14-資本取引(4問)

更新日:2025年7月8日
公開日:2025年7月6日

日商簿記3級本試験レベルの資本取引の仕訳問題(易からやや難まで)を中心に掲載しています。利用者が増えればより早くより良いコンテンツを提供していきます。良いコンテンツと思われた場合には積極的にWEBやSNSでの拡散をお願いします。

出題内容と使い方(共通)

※他の論点別仕訳問題ページと共通

<取引の8要素>

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14-1.会社の設立

  • 1株当たり¥50,000で70株の株式を発行し、全額払い込みを受けて株式会社を設立した。払込金は全額普通預金口座に預け入れた。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
普通預金
3,500,000
資本金
3,500,000

14-1.解説

会社の設立に際して株式の発行により集まった払込金は全て「資本金(純資産)」の増加として貸方に記入します。借方は普通預金への預け入れのため、普通預金で記入します。

14-2.新株発行による資金調達

  • PDCA会計株式会社は事業の拡大に伴い、増資を行った。1株当たり¥30,000で20株の株式を新たに発行し、全額の払い込みを受けて当座預金に預け入れた。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
当座預金
600,000
資本金
600,000

14-2.解説

会社の設立後に増資のために新たに株式を発行した場合も会社の設立の時と同じく、払込金は資本金の増加として貸方に記入します。本問では当座預金へ預け入れたため、借方には当座預金を記入します。

14-3.剰余金の配当

  • 株主総会の決議によって、繰越利益剰余金のうち¥2,000,000の配当を実施し、¥200,000を利益準備金に積み立てた。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
繰越利益剰余金
2,200,000
未払配当金
2,000,000
利益準備金
200,000

14-3.解説

繰越利益剰余金を配当した場合には繰越利益剰余金(純資産)が減少するため、借方に繰越利益剰余金を記入します。

貸方には増加した未払配当金(負債)および利益準備金(純資産)を記入します。

14-4.決算振替仕訳と繰越利益剰余金

  • 次の資料から適切と考えられる決算整理仕訳を示しなさい。なお、本問では同一の勘定科目を複数回使用しても構わない。
  • (1)決算整理前残高試算表上の残高
  •  仕入¥10,000,000(借方残) 売上¥12,500,000(貸方残)
  • (2)仕入勘定に集計された売上原価および売上について決算振替仕訳を行う。
  • (3)損益を繰越利益剰余金に振り替える。
借方科目金額貸方科目金額
借方科目金額貸方科目金額
損益
10,000,000
仕入
10,000,000
売上
12,500,000
損益
12,500,000
損益
2,500,000
繰越利益剰余金
2,500,000

14-4.解説

決算振替仕訳は仕入(売上原価)、売上、給料、支払利息など全ての費用・収益の勘定科目について、決算整理前残高試算表上の残高(他の決算整理事項を処理後)をゼロにし、全額を損益勘定に振り替える仕訳です。本問では簡便的に仕入(売上原価)と売上のみが対象になっています。

具体的には仕入¥10,000,000は借方残高のため、反対側である貸方に記入し、対する借方に損益を同額記入することで振り替えを行います。売上¥12,500,000は貸方残高のため、借方に記入するとともに貸方に損益を記入します。

以上の2仕訳によって、損益勘定の残高は¥2,500,000(貸方残高)になります。最後に当該損益勘定の残高を全て「繰越利益剰余金(純資産)」に振り替えるため、借方に損益¥2,500,000を記入するとともに、貸方に繰越利益剰余金¥2,500,000を記入します。この結果、純資産の勘定科目である繰越利益剰余金は¥2,500,000増加します。

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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