製造部門と補助部門

記事最終更新日:2021年11月9日
記事公開日:2020年6月23日
部門別計算の用語である「製造部門」と「補助部門」を解説します。
製造部門とは
製造部門とは、製造間接費の部門別計算で設定する、直接、製造作業を行う部門をいいます。
引用元:原価計算基準
「製造部門とは、直接製造作業の行なわれる部門をいい、製品の種類別、製品生成の段階、製造活動の種類別等にしたがって、これを各種の部門又は工程に分ける。たとえば機械製作工場における鋳造、鍛造、機械加工、組立等の各部門はその例である。」
補助部門とは
補助部門とは、製造間接費の部門別計算で設定する、製造部門の製造作業を補助する枠割を担う部門をいいます。
引用元:原価計算基準
「補助部門とは、製造部門に対して補助的関係にある部門をいい、これを補助経営部門と工場管理部門とに分け、さらに機能の種類別等にしたがって、これを各種の部門に分ける。」
部門別計算
製造部門も補助部門どちらも部門別計算上の設定要素です。
第1次集計
製造間接費を部門個別費と部門共通費に分類した後に、前者を製造部門と補助部門に賦課し後者を配賦します。これを第1次集計といいます。
第2次集計
次に「補助部門は製造部門を補助する」という関係を原価計算に反映するために、補助部門に集計した部門費(部門個別費 + 部門共通費)を直接配賦法や相互配賦法といった計算方法によって、全額、製造部門に配賦します。これを第2次集計といいます。
仕訳
第2次集計の仕訳を示します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
第2次集計 | 製造間接費-○○部門(※1) | ××× | 製造間接費-○○部門(※2) | ××× |
別の勘定科目を使用する場合もあります。
(※1)製造部門 (※2)補助部門
仕訳例
- 1.計算の結果、A製造部門にB補助部門費10を配賦する。
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 製造間接費-A製造部門 | 10 | 製造間接費-B補助部門 | 10 |
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※電子書籍WEB版(フリー)の一覧は「PDCA会計 日商簿記2級 工業簿記詳解-傾向と対策(電子書籍WEB阪)」内の「第3章 製造間接費」及び「第4章 部門別計算」に掲載