部門個別費と部門共通費

部門別計算の用語である「部門個別費」と「部門共通費」を解説します。
部門個別費とは
部門個別費とは、製造間接費の原価要素うち、どの部門にいくら発生したのか、直接把握できるものをいいます。
部門共通費とは
部門共通費とは、製造間接費の原価要素うち、どの部門にいくら発生したのか、直接的には把握できないものをいいます。
引用元:原価計算基準
「原価要素は、これを原価部門に分類集計するに当たり、当該部門において発生したことが直接的に認識されるかどうかによって、部門個別費と部門共通費とに分類する。」
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部門別計算
上記の部門費はどちらも部門別計算上の設定要素です。
第1次集計
部門別計算においては、製造間接費を部門個別費と部門共通費に分類し、各部門にそれぞれを集計します。これを第1次集計といいます。
賦課と配賦
部門個別費はどの部門にいくら発生したのか把握できるため、そのまま部門別に集計(賦課)します。
部門共通費は直接は部門別に集計できないため、各部門共通費の発生と相関関係にある「配賦基準」を設定して各部門に配賦します。
引用元:原価計算基準
「部門個別費は、原価部門における発生額を直接に当該部門に賦課し、部門共通費は、原価要素別に又はその性質に基づいて分類された原価要素群別にもしくは一括して、適当な配賦基準によって関係各部門に配賦する。」
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仕訳
どちらも同じ仕訳です。製造部門と補助部門へ部門個別費を賦課し、部門共通費を配賦します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
第1次集計 | 製造間接費-○○部門 | ××× | 製造間接費 | ××× |
別の勘定科目を使用する場合もあります。
仕訳例
- 1.A製造部門に部門個別費20を賦課し、部門共通費10を配賦する。
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 製造間接費-A製造部門 | 30 | 製造間接費 | 30 |