工業簿記2級 変動費と固定費とは(原価計算入門)|違いとメリット、計算方法

更新日:2020年6月7日
作成日:2016年11月11日

今回は製造間接費の論点のうち、変動費と固定費の違いやメリット、計算方法や仕訳について解説します。

※この「原価計算入門」のサイトでは、2級レベルの工業簿記を、衣服メーカーを例として毎回解説しています。

種類別の勘定連絡図(個別、総合、標準)

クリックすると、実際個別原価計算、実際総合原価計算、標準原価計算それぞれの勘定連絡図(簿記2級で出題される典型的なケース)が別窓で開きます。

今回の学習はココ

変動費と固定費について学習します。工業簿記の計算段階でいうと、主に第2段階の部門別計算と第3段階の製品別計算とに関係します。

部門別計算(ぶもんべつけいさん)とは、費目別計算によって集計した費目(直接材料費、直接労務費、直接経費、製造間接費)を製品に集計する前に部門別に分類して計算・集計するための手続きをいいます。

製造部門と補助部門を設定し、直接配賦法や相互配賦法といった計算方法を使って、最終的には各製造部門に原価を集計します。

製品別計算(せいひんべつけいさん)とは、製品の種類毎に製品一単位の原価を計算する手続きをいいます。

例えば、ジーンズ、チノパンといった製品別に原価を集計し、それぞれの製品の製造実態に合わせて個別原価計算や各種の総合原価計算(単純、等級、組別、工程別)を適用してジーンズ1本、チノパン1本当たりの原価を計算します。

変動費と固定費とは

変動費(へんどうひ)とは、製造間接費のうち材料費や水道光熱費の従量料金部分のように、操業度の増減に対して比例的に発生する原価要素をいいます。

固定費(こていひ)とは、製造間接費のうち減価償却費、賃借料、租税公課など、操業度の増減に関係なく発生する原価要素をいいます。

項目説明イメージが近い勘定科目(※)
変動費操業度の変動に比例的して発生間接材料費、間接工賃金、水道料・
電力料の従量金額部分など
固定費操業度の変動に関係なく発生減価償却費、賃借料、租税公課など

(※)科目毎で固定費・変動費を厳密に区別することはできません。あくまでもイメージが近い科目ということで紹介しています。

両者の違い

上述の通り、両者はどちらも製造間接費の原価要素ですが、操業度の増減に応じて変化するかどうかという点で異なります。

変動予算と固定予算

変動予算(へんどうよさん)とは、製造間接費予算を変動費と固定費といったように、操業度との関連に焦点をあてて原価要素を分類して設定した予算をいいます。

固定予算(こていよさん)とは、製造間接費予算を一定の操業度に対応した予算として設定したものをいいます。

従って、変動費も固定費もどちらも変動予算に関する用語ということです。

変動費と固定費を設定するメリット

変動費と固定費による変動予算を設定すれば、操業度の増減に対応した製造間接費が計算でき、固定予算と比較してより効果的な原価管理や部門別の業績管理に役立ちます。

配賦率(変動費率、固定費率)と予定配賦額の計算方法

次の通り。

項目配賦率の計算予定配賦額の計算
変動費変動費予算÷基準操業度配賦率×実際操業度
固定費固定費予算÷基準操業度配賦率×実際操業度

予定配賦額の計算については変動費も固定費もどちらも同じ計算です。

変動費の配賦率を変動費率(へんどうひりつ)、固定費の配賦率を固定費率(へんどうひりつ)といいます。

仕訳

変動費も固定費もどちらも製造間接費です。

仕訳上はどちらも区別することなく、両者の合計額を製造間接費勘定から仕掛品勘定へ振り替えます。

問題例(ズボンメーカーを例に)

次の問題と解説

製造間接費の配賦差異について解説します。

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