原価計算入門その21~部門別計算(直接配賦法と相互配賦法)

作成日:2016年11月12日 更新日:2018年5月23日

前回に引き続き、部門別計算について解説します。

部門別計算とは、費目別計算で計算した直接費と間接費を各部門へ配分する手続をいい、原価計算における第2次の計算段階に該当します。
(第1次)費目別計算→(第2次)部門別計算→(第3次)製品別計算

このように段階的に製造原価を分類集計するのは、製品原価の正確な計算および原価管理を行うためです。

※原価計算(工業簿記)の入門段階では、各直接費は製品に賦課(ふか)し、製造間接費のみを部門別計算の範囲として各部門に配賦するように取り扱います

下記に学習上のポイントを参考に記載しました。ご利用ください。

※この「原価計算入門」のサイトでは、2級レベルの工業簿記を、衣服メーカーを例として毎回解説しています。

【学習のポイント】

0.部門と部門費の分類
1.各部門への原価の集計
 ①賦課(部門個別費)
 ②配賦(部門共通費)
2.補助部門の製造部門への配賦
 ①直接配賦法
 ②相互配賦法


【部門別計算(補助部門から製造部門への配賦)】

前回は、部門と費用の分類について解説しました。

費目別計算によって分類された製造間接費は、部門個別費と部門共通費に分類され、製造部門と補助部門に賦課または配賦されます。

次に行うのは補助部門の製造部門への配賦です。

この配賦方法として、入門段階では直接配賦法と相互配賦法を学習します。

項目説明
直接配賦法補助部門から補助部門への配賦は行わず、
製造部門のみに配賦する方法
相互配賦法補助部門も含めて自部門以外の部門に配賦を行い(一次配賦)、
次の二次配賦では製造部門のみに配賦する方法

補助部門の費用を各部門に配賦するための配賦基準は問題の指示に従って、適切な方法を適用して、製造間接費の部門別計算を行います。

次に直接配賦法と相互配賦について、前回解説した内容も含めて、設例を用いて解説します。



【部門別計算(部門共通費の配賦)】

【設例】
衣服メーカーは製造間接費の集計過程において部門別計算を採用している。
設定している部門と部門個別費、部門共通費、配賦基準は次の通り。

項目費目金額(円)配賦基準
部門共通費減価償却費300,000工場占有面積
電力料160,000電力消費量(kWh)
その他600,000従業員数
項目合計切抜部門裁縫部門清掃部門事務管理部門
部門個別費(円)200,000100,00070,00010,00020,000
従業員数(人)124512
電力消費量(kWh)6403002603050
工場占有面積(㎡)501520510

※補助部門の配賦基準
清掃部門:工場占有面積(㎡) 事務管理部門:従業員数

(問1)各部門の部門費(部門個別費と部門共通費の合計)を求めましょう。
(問2)補助部門配賦後の製造部門費(切取部門と裁縫部門)について
 ①直接配賦法を用いて求めましょう。
 ②相互配賦法を用いて求めましょう。
※小数点以下の端数は小数点第一位で四捨五入すること。

【解答】
部門別計算では、まずは製造間接費を各部門に集計して部門費を求めることから始めます。
部門費のうち、部門個別費はすでに各部門に賦課されていますが、部門共通費は配賦基準によって各部門に配賦する必要があります。

(問1)部門共通費の計算:切抜部門の計算を参考として示します。
減価償却費:(300,000円÷工場占有面積50㎡)×15㎡ = 90,000円
電力料:(160,000円÷640kWh)×300kWh = 75,000円
その他:(600,000円÷12人)×4人 = 200,000円

他の部門も同様に計算すると次の通り。

項目合計切抜部門裁縫部門清掃部門事務管理部門
部門個別費200,000100,00070,00010,00020,000
減価償却費300,00090,000120,00030,00060,000
電力料160,00075,00065,0007,50012,500
その他600,000200,000250,00050,000100,000
小計:部門共通費1,060,000365,000435,00087,500172,500
部門費(解答)1,260,000465,000505,00097,500192,500
【終わりに】

今回は部門別計算のうち、直接配賦法と相互配賦法を解説しました。
次回は設例の続きから解説します。


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