原価計算入門その26~個別原価計算(製品別計算、原価計算表)

作成日:2016年11月15日 更新日:2018年5月24日

前回に引き続き、製品別計算について解説します。

製品別計算とは、原価要素を一定の製品単位に集計し,単位製品の製造原価を算定する手続をいい,原価計算における第3次の計算段階になります。
(第1次)費目別計算→(第2次)部門別計算→(第3次)製品別計算

このように段階的に製造原価を分類集計するのは、製品原価の正確な計算および原価管理を行うためです。

下記に学習上のポイントを参考に記載しました。ご利用ください。

※この「原価計算入門」のサイトでは、2級レベルの工業簿記を、衣服メーカーを例として毎回解説しています。

【学習のポイント】

0.製品別計算の分類
1.個別原価計算
 ①概要と流れ
 ②仕損費の計算
2.単純総合原価計算
3.等級別総合原価計算
4.組別総合原価計算
5.工程別総合原価計算


【製品別計算(個別原価計算)】

今回は設例を用いて解説します。

【設例】
衣服メーカーは、個別原価計算を採用している。

今月の原価計算の状況と必要なデータは次の通り。
・各要素の計算には予定単価を使用している。
・費目別計算と部門別計算は終了しており、これから製造指図書に原価集計する段階である。
・製造指図書No1101で一部に仕損が発生した(正常な範囲)。そこで、仕損した箇所を補修するために、#1101-2の補修指図書を発行し、補修に必要な原価を集計する。

項目#1003#1101#1102#1101-2
前月製造原価235,000---
直接材料費
直接労務費
製造間接費
製造原価235,000
備考前月着手
11/5 完成
売上済
今月着手
11/25 完成
未納品
今月着手
未完成
補修指図書
項目#1003#1101#1102#1101-2
布の出庫数(枚)30040020015
直接労働時間(時間)55090060050
項目賦課基準または配賦基準予定単価(円)
直接材料費布出庫数(枚)@115
直接労務費直接作業時間(時間)@1,950
切抜部門布出庫数(枚)@650
裁縫部門直接作業時間(時間)@320
製品勘定
11/1 前月繰越 1,842,00011/30 売上原価 (   )
11/5 仕掛品 (   )
11/25 仕掛品 (   )11/30 次月繰越 (   )

(問1)原価集計表を完成させましょう。
(問2)製品勘定のTフォームの空欄に金額を埋めましょう。
なお、製品勘定の前月繰越1,842,000円は当月販売され売上計上されている。



【個別原価計算(製造指図書と原価集計表)】

<解答>
(問1)賦課基準・配賦基準に従って各要素の原価を集計します。

例として#1003の計算を示します。
直接材料費:@115×300 = 34,500円
直接労務費:@1,950×550 = 1,072,500円
製造間接費(切取部門):@650×300 =195,000円
製造間接費(裁縫部門):@320×550 = 176,000円
製造間接費 = 切取部門 + 裁縫部門 = 195,000 + 176,000 = 371,000円

#1101-2ですが、仕損が発生したために補修する費用を集計する指図書です(補修指図書といいます)。
仕損は次回解説します。原価集計の方法は通常の製造指図書と同じです。

解答は次の通り。

項目#1003#1101#1102#1101-2
前月製造原価235,000---
直接材料費34,50046,00023,0001,725
直接労務費1,072,5001,755,0001,170,00097,500
製造間接費371,000548,000322,00025,750
製造原価1,713,0002,349,0001,515,000124,975
備考前月着手
11/5 完成
売上済
今月着手
11/25 完成
未納品
今月着手
未完成
補修指図書

【補足】
原価集計表の備考欄や前月製造原価の内容から、#1003は月初(11/1)には前月繰越(月初有高)235,000円として仕掛品勘定に計上されていることが分かります。
また、備考欄の「着手」とは「(製造)開始」という意味です。

(問2)は次回に解説します。

【終わりに】

今回は設例を用いて個別原価計算の原価集計表について解説しました。
次回は設例の続きから解説します。


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