材料費とは|分類や関連用語など概要を解説(原価計算入門)

記事最終更新日:2023年7月15日
記事公開日:2016年11月4日

※本記事は原価計算基準に基づく文章中心のコンテンツです。
図解やイラストで材料費を理解したい」
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「材料費」は、費目別計算の分類のうち最も理解しやすい要素ですが、関連用語が多いことから、他の分類と同様に全て理解するのには時間を要します。

本記事では、材料費とは何かについて分類や関連用語を中心に解説します。

※各テーマの詳細は、各テーマに掲載の関連記事で解説しています。

※費目別計算は次の記事を参照。

※材料費の仕訳や勘定科目は下記の記事を参照。

材料費とは

材料費」とは、製品の元になる原材料や部品、消耗品などの材料に要した費用をいいます。

製造に投入されるまでは材料(棚卸資産の1つ)として資産計上し、製造投入(消費計上)した時点で材料費になります。

費目別計算と分類

費目別計算」とは、原価を「材料費」「労務費」「経費」に分類した後に、それぞれを「直接費」と「間接費」に分類する原価計算の手続きをいいます。

材料費は、費目別計算によって次の通り分類します。

項目例:ズボン直接or間接
素材費(原料費)直接材料費
買入部品費ボタン・ファスナー
補助材料費間接材料費
工場消耗品費型紙・接着剤
消耗工具器具備品費ミシン・ハリ・ハサミ

直接材料費と間接材料費

製品との関係から、直接費と間接費とに分類し、それぞれ異なる原価計算の手法や仕訳方法を適用します。

上の表の通り、材料費は製品との関連を直接的に識別できる「直接材料費」と間接的にしか把握できない「間接材料費」とに分類します。

例えば、ズボンメーカーで「布」は最も重要な材料であることから素材費(原料費)であり、直接材料費になります。

原価の種類

実際原価(予定価格含む)や標準原価で記帳します。インプット(購入)とアウトプット(消費)とで原価の種類に複数の組み合わせが存在します。

材料費の計算

原則として、次の通り計算します。

購入と計算

原則として、材料の購入代価に「材料副費」を加算して取得原価を計算します。

材料副費差異

材料副費を予定配賦する場合には、予定配賦額と実際発生額との差額は「材料副費差異」として認識します。

消費と計上

直接材料費の消費は「仕掛品」、間接材料費の消費は「製造間接費」で仕訳します。

材料消費価格差異

実際原価計算において予定価格を適用した場合、材料消費の予定価格と実際価格との差額は「材料消費価格差異」として認識します。

数量差異

標準原価計算においては価格差異だけでなく、「数量差異」も計算します。

先入先出法と平均法

材料の消費単価は「先入先出法」や「平均法」といった方法で計算します。

継続記録法と棚卸計算法

重要な材料は「継続記録法」と「棚卸計算法」により在庫管理を行います。

棚卸減耗費

実地棚卸によって把握した「棚卸減耗費」は、材料費ではなく間接経費として処理します。

関連記事(費目別計算)

※電子書籍WEB版(フリー)の一覧は「第2章 費目別計算-PDCA会計 日商簿記2級 工業簿記詳解-傾向と対策(電子書籍WEB阪)」に掲載

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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