労務費とは|分類

労務費と分類を解説します。
労務費とは|分類
目次
労務費とは
労務費とは、製造に直接的又は間接的に関係した労働に対する賃金・給料をいいます。
引用元:原価計算基準
「労務費とは、労務用役の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する(以下、省略)」
費目別計算と分類
労務費の分類は次の通り。
従業員 | 労働対価 | 作業時間 | 直接or間接 |
---|---|---|---|
直接工 | 直接工賃金 (基本給+加給金) | 直接作業時間 | 直接労務費 |
間接作業時間 | 間接労務費 | ||
手待時間 | |||
間接工 | 間接工賃金 | 全作業時間 | |
事務職員 | 給料 | ||
アルバイト・ パートタイマー | 雑給 | ||
全従業員 | 従業員賞与手当 | - | |
退職給与引当金繰入額 | |||
(法定)福利費 (健康保険料負担金等。 社会保険料とも) |
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直接労務費と間接労務費
製品との関係から直接費と間接費とに分類し、それぞれ異なる原価計算の手法を適用します。
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原価の種類
実際原価(予定価格含む)や標準原価で記帳します。インプット(賃金支払)とアウトプット(労働投入)とで原価の種類に複数の組み合わせが存在します。
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労務費の計算
原則として次の通り計算します。
労務費の計算
- 直接工賃金:労務費 = 賃率 × 実際作業時間
- 間接工賃金:労務費 = 要支払額
引用元:原価計算基準
「一二 労務費計算
(一) 直接賃金等であって、作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は、実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する。賃率は、実際の個別賃率又は、職場もしくは作業区分ごとの平均賃率による。平均賃率は、必要ある場合には、予定平均賃率をもって計算することができる。
直接賃金等は、必要ある場合には、当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算することができる。
(二) 間接労務費であって、間接工賃金、給料、賞与手当等は、原則として当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算する。
」
勘定科目
例示すると次の通り。
・賃金 ・給料 ・賃金・給料 ・直接工賃金 ・間接工賃金 ・賞与引当金 ・退職給付引当金
勘定連絡図
一般的な場合の労務費と他勘定との関係を把握できます。
賃金・給料の支払
商業簿記で学習する仕訳と同様に仕訳します。
未払費用の計上
商業簿記と異なるのが未払費用の計上です。工員の賃金は月末締め以外の場合には、締日から月末までの労務費を未払費用計上します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
未払賃金 | 賃金・給料 | ××× | 未払費用 | ××× |
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従業員賞与の計上
賞与引当金勘定で仕訳します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
賞与引当金の計上 | 仕掛品 | ××× | 賞与引当金 | ××× |
製造間接費 | ××× |
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労務費の計上
直接労務費は仕掛品勘定、間接労務費は製造間接費勘定で仕訳します。
賃率差異
実際原価計算において予定賃率を適用した場合、予定賃率と実際賃率による労務費の差額は賃率差異として認識します。
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作業時間差異
標準原価計算においては賃率差異だけでなく作業時間差異も計算します。