商業簿記入門その30~商品券と他店商品券の仕訳処理(3級)

更新日:2019年3月24日
公開日:2017年11月5日

商品券と他店商品券の仕訳処理

前回、「商業簿記入門その29~仮払金と仮受金の仕訳処理」では仮払金と仮受金の仕訳処理について解説しました。

今回は商品券と他店商品券の仕訳処理について説明します。


商品券とは

商品券とは、現金の代わりに使用することができる、券面に記載された金額の商品と交換することができる権利を表す有価証券をいいます。

具体的にイメージできるように商品券のサンプルを用意しました。ご参考ください。

【図書カード】

図書カード
【引用元】図書カードNEXT

【ギフトカード】

ギフトカード
【引用元】JCBギフトカード

【おこめ券】

【補足】簿記試験で出題される商品券、他店商品券の仕訳処理について

百貨店など、商品券を発行した会社の仕訳が試験範囲です。上記のサンプルでいえば、図書カードを発行した会社、JBC、全米販などです。

商品券を購入する一般人や一般の会社が行う仕訳とは異なります。

仕訳を理解するポイントになりますので、このことは念頭に入れておきましょう。


商品券の仕訳処理

商品券の発行会社が、商品券が増減する取引を記帳する場合には、商品券勘定(負債に属する勘定科目)を用います。

※資産ではなく、負債の勘定科目です。

例えば、商品券の発行会社が商品券を販売した場合には、商品券を渡す代わりにお金を受け取ります。しかし、商品自体はまだ渡していないので、現時点では、将来、商品を渡す義務が発生したことになります。

従って、商品券を販売した時点では、債務が発生し、債務が発生したことを記録するために、商品券勘定を貸方に記入して仕訳します。

そして、商品の販売時にお金ではなく商品券を受け取った場合には、商品券を回収したことから債務がその分減少しますので、商品券勘定を借方に記入して仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
商品券の販売現金預金など×××商品券×××
商品券の受取
(商品の販売)
商品券×××売上×××

他店商品券とは

他店商品券とは、自社が発行したのではなく、他の会社が発行した商品券をいいます。ここでいう「他の会社」とは、例えば、全国百貨店共通のギフトカードや、上記サンプルにある、全米販の(全国共通)おこめ券などを、百貨店やお米屋が受け取ったような場合、この全国共通のギフトカードや全米販のことをいいます。

他店商品券の仕訳処理

他店商品券が増減する取引には、他店商品券勘定(資産に属する勘定科目)を用います。

商品の販売時に、お金の代わりに他の会社が発行した商品券を受け取った場合には、商品券を発行した他の会社に対する債権が発生することになります。

すなわち、将来この他店商品券と引き換えにお金を受け取る権利が発生したということになります。この債券が発生したことを記録しておくために、借方に他店商品券勘定を記入して仕訳します。

後日、この他店商品券を発行した会社に渡し、代わりにお金や当社が発行した商品券を受け取った場合には、上述の債権が減少するので、他店商品券勘定を貸方に記入して仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
商品の販売
(他店商品券の受取)
他店商品券×××売上×××
他店商品券の引き渡し現金預金など
(又は商品券)
×××他店商品券×××

【補足】一般人や一般の会社が商品券を購入した場合の仕訳処理について

※試験範囲外の解説です。ご興味ある方はお読みください。

実務上では、商品券を受け取った場合には、商品券勘定、貯蔵品勘定、又は現金勘定で仕訳処理します。

ここでの商品券勘定は資産に属する勘定科目です。試験範囲での商品券勘定とは、同名であるが別の勘定科目と捉えておき、紛らわしいので混同しないよう注意しておきましょう。


仕訳例

1.A社は商品券を10万円発行し、B社に販売した。代金は現金で受け取った。
2.A社はB社に商品を5万円販売した。代金は4万円をA社発行の商品券で受け取り、残額は現金で受け取った。
3.上記2.の場合で、A社が発行した商品券ではなく、C社発行の商品券を受け取った場合
4.上記3.の場合で、A社はC社発行の商品券のうち、3万円を精算し、2万円をA社発行の商品券で受け取り、残額を現金で受け取った。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1現金100,000商品券100,000
2商品券40,000売上50,000
現金10,000
3他店商品券40,000売上50,000
10,000
4商品券20,000他店商品券30,000
現金10,000

まとめ

今回は商品券と他店商品券の仕訳処理について解説しました。実務上の取り扱いも含めて、ややこしい論点ですので、この点を理解して覚えましょう。


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