商業簿記3級 (H31改定)受取商品券と差入保証金の仕訳処理

更新日:2019年9月11日
公開日:2017年11月5日

※平成31年の改定によって、簿記3級の試験範囲や仕訳処理について変更があった論点です。詳細は下で解説します。

前回、「仮払金と仮受金の仕訳処理」では仮払金と仮受金の仕訳処理について解説しました。

今回は商品券と他店(受取)商品券、および差入保証金の仕訳処理について説明します。

商品券とは

商品券(しょうひんけん)とは、現金の代わりに使用することができる、券面に記載された金額の商品と交換することができる権利を表す有価証券をいいます。

具体的にイメージできるように商品券のサンプルを掲載します。

【図書カード】


【引用元】図書カードNEXT

【ギフトカード】


【引用元】JCBギフトカード

【おこめ券】

(旧論点)商品券の仕訳処理

※平成31年の改定によって、平成31年(令和元年)からは簿記3級の試験範囲から削除された論点です。

※「実務に役立つ」を目的とする当サイトでは、試験範囲から削除されたことを明記し、内容はそのままとします。

商品券の発行会社が、商品券が増減する取引を記帳する場合には、商品券勘定(負債に属する勘定科目)を用います。

※資産ではなく、負債の勘定科目です。

例えば、商品券の発行会社が商品券を販売した場合には、商品券を渡す代わりにお金を受け取ります。しかし、商品自体はまだ渡していないので、現時点では、将来、商品を渡す義務が発生したことになります。

従って、商品券を販売した時点では、債務が発生し、債務が発生したことを記録するために、商品券勘定を貸方に記入して仕訳します。

そして、商品の販売時にお金ではなく商品券を受け取った場合には、商品券を回収したことから債務がその分減少しますので、商品券勘定を借方に記入して仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
商品券の販売現金預金など×××商品券×××
商品券の受取
(商品の販売)
商品券×××売上×××

(H31改定)受取商品券とは

※平成31年の改定によって、平成31年(令和元年)からは勘定科目が「他店商品券」勘定ではなく、「受取商品券」勘定に変更されました。

他店商品券(たてんしょうひんけん)とは、自社以外の他の会社が発行した商品券をいいます。

例えば、全国百貨店共通のギフトカードや、上記サンプルにある、全米販の(全国共通)おこめ券などを、受け取ったような場合、この全国共通のギフトカードや全米販のことをいいます。

商品券とは一般の会社であれば、発行するのではなく購入して贈ったり、受け取ったりするものです。

そこで他店商品券ではなく、「受取商品券(うけとりしょうひんけん)」ともいいます(以降は受取商品券に言葉を統一して解説します)。

受取商品券の仕訳処理

受取商品券が増減する取引には、受取商品券勘定(資産に属する勘定科目)を用います。

商品の販売時にお金ではなく商品券を受け取った場合には、商品券を発行した会社に対する債権が発生することになります。

すなわち、将来この商品券と引き換えにお金を受け取る権利が発生したということです。

この債券が発生したことを記録しておくために、借方に受取商品券勘定を記入して仕訳します。

後日、この商品券を発行した会社に渡し、代わりにお金を受け取った場合には上述の債権が減少するので、受取商品券勘定を貸方に記入して仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
商品の販売と商品券の受取受取商品券×××売上×××
受取商品券の引き渡し現金・預金勘定×××受取商品券×××

(H31改定)差入保証金とは

※平成31年の改定によって、平成31年(令和元年)から簿記3級の試験範囲に新たに追加された論点です。

差入保証金(さしいれほしょうきん)」とは、取引するにあたり、債務者が債権者に担保として差し入れるお金のことをいいます。

最も代表的な取引は、建物や土地といった不動産を借りる場合に、借りる会社が貸す側の不動産会社や地主に対して保証金を差し入れるケースです。

この場合の保証金を「敷金(しききん)」といいます。

賃貸借の契約が終了した際には、この敷金は不動産を借りた会社に返金されます。

※ただし、契約によっては返金されない場合もあります。この場合は今回説明する差入保証金の仕訳処理は適用できません。

差入保証金の仕訳処理

保証金を差し入れた場合には、「差入保証金勘定(資産に属する勘定科目)」を使用して仕訳処理します。

具体的には、不動産を賃貸借する契約を締結した際に、仲介会社へ支払う手数料や家賃とともに敷金を支払うため、この時に敷金の金額について、借方に差入保証金勘定を記入します。

賃貸借契約が終了し、敷金が返金された場合には、差入保証金は減少するため、貸方に差入保証金勘定を記入します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
賃貸借契約の締結と支払支払家賃×××現金・預金×××
支払手数料×××
差入保証金×××
敷金の返金現金・預金×××差入保証金×××

仕訳例

  • 1.A社はB社に商品を5万円販売した。代金はC社発行の商品券で受け取った
  • 2.A社は受け取った商品券のうち、3万円をC社に換金請求し、現金で受け取った。
  • 3.A社はD社と建物を借りる契約を締結し、家賃10万円と手数料1万円、および敷金15万円を普通預金口座からD社へ支払った。
  • 4.上記3.の契約が終了し、D社から敷金が全額返金され、普通預金口座に振り込まれた。
No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1受取商品券50,000売上50,000
2現金30,000受取商品券30,000
3支払家賃100,000普通預金260,000
支払手数料10,000
差入保証金150,000
4普通預金150,000差入保証金150,000

関連リンク

まとめ

今回は受取商品券と差入保証金の仕訳処理について解説しました。理解しながら覚えましょう。

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