総平均法・移動平均法とは|違いや単価の求め方(例題あり)

記事最終更新日:2025年1月5日
記事公開日:2021年10月27日

材料や商品などの棚卸資産の単価計算の方法に総合平均法や移動平均法があります。

本記事では、両者の違いや単価の計算方法を中心に解説します。

※本記事は原価計算基準に基づき文章中心で解説しています。
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平均法とは

平均法とは、一定期間の仕入額の平均単価で払い出すと仮定して棚卸資産の払出単価を計算する方法をいいます。

払出単価の計算方法には他にも先入先出法や平均法があります。

特徴

棚卸資産も売上原価も平均単価で計算するため、先入先出法と比較すると価格変動の影響を受け難いといえます。

材料の消費価格

材料消費価格は、平均法などの方法で計算します。

計算方法

一定期間の棚卸資産の仕入額(在庫を含む)から平均単価を計算します。

総平均法と移動平均法

平均法のうち、全期間の平均単価を全ての払出の単価とする方法を総平均法、払い出しの都度、平均単価を計算する方法を移動平均法といいます。

計算例

  • 例題
  • 5/1.月初在庫は@10が10個(100円) @30が10個(300円)
  • 5/10.材料を10個払い出す。
  • 5/15.材料を@50で10個購入(500円)
  • 5/20.材料を10個払い出す。
  • 5/31.月末在庫は10個(単価?)

総平均法の場合

月初在庫と月中の購入から平均単価を計算します。

以上の計算結果から材料単価30円で5/10と5/20の払出し、及び月末在庫を計算します。

日付購入払出し在庫
月初@10 10個(100円)
@30 10個(300円)
5/10@30 10個(300円)10個
5/15@50 10個(500円)20個
5/20@30 10個(300円)10個
月末@30 10個(300円)

移動平均法の場合

5/10と5/20の払い出しの都度、その時点の在庫から単価を計算します。

以上の計算結果から材料の払出単価は5/10は20円に対して5/20は35円となりました。

日付購入払出し在庫
月初@10 10個(100円)
@30 10個(300円)
5/10@20 10個(200円)@20 10個(200円)
5/15@50 10個(500円)@20 10個(200円)
@50 10個(500円)
5/20@35 10個(350円)@35 10個(350円)
月末@35 10個(350円)

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須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

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