賃率差異と仕訳|計算方法
記事最終更新日:2021年11月14日
記事公開日:2020年5月19日
賃率差異の仕訳と計算方法を解説します。
賃率差異とは
賃率差異とは、原価差異の1つです。作業員の賃率として予定賃率を設定して労務費を計算した場合に発生する、実際賃率による実際発生額との差異をいいます。
引用元:原価計算基準
「賃率差異とは、労務費を予定賃率をもって計算することによって生ずる原価差異をいい、一期間におけるその労務費額と実際発生額との差額として算定する。」
実際原価計算
実際原価計算で実際賃率ではなく予定賃率を使って労務費を計算する際に、賃率差異が発生します。
引用元:原価計算基準
「(一) 直接賃金等であって、作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は、実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する。賃率は、実際の個別賃率又は、職場もしくは作業区分ごとの平均賃率による。平均賃率は、必要ある場合には、予定平均賃率をもって計算することができる。」
標準原価計算
賃率差異は標準原価計算でも発生しますが、同時に作業時間差異も発生します。
直接工と間接工
賃率差異は賃率と作業時間から労務費を求める直接工で発生します。これに対して間接工では賃率を使用せず賃金支払額に基づく要支払額で労務費を求めるため、賃率差異は発生しません。
計算方法
次の通り。
賃率差異の計算方法
- 賃率差異 = 予定労務費 - 実際労務費
- = 予定賃率 × 実際作業時間 - 実際労務費
- =(予定賃率 - 実際賃率)× 実際作業時間
賃率差異の仕訳
賃率差異勘定で仕訳します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
原価差異(※1) | 賃率差異 | ××× | 賃金・給料 | ××× |
別の勘定科目を使用する場合もあります。
(※1)借方差異(不利差異)の場合
仕訳例
- 1.賃率差異10(不利差異)を計上する。
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 賃率差異 | ××× | 賃金・給料 | ××× |
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