素材費・買入部品費・補助材料費とは|仕訳を解説(原価計算)

記事最終更新日:2023年7月19日
記事公開日:2021年10月27日
「素材費」「買入部品費」「補助材料費」とは、材料費の分類を表す用語です。
原価計算のうち、費目別計算で学習しますが、用語が多いので苦手な人も多いと思います。
本記事では、素材費・買入部品費・補助材料費とは何かについて、概要と仕訳を解説します。
※原価計算は管理会計に該当し、会計基準や原価計算基準で規定しない部分については、会社によって様々な方法が存在します。本記事での解説は1例としてお読みください。
※材料費の概要や仕訳方法については、下記の記事で解説しています。
素材費・買入部品費・補助材料費とは
「素材費」「買入部品費」「補助材料費」とは、それぞれ材料費の種類を表します。
素材費とは、原料費とともに主要材料を表わします。
買入部品費とは、外部の取引先から買い入れた部品をいいます。
補助材料費とは、製品製造で補助的に消費するものをいいます。
例えば、ズボンを例にすると次の通り。
・素材費:「布」
・買入部品費:外部の取引先から購入した「ボタン」や「ファスナー」
・補助材料費:「糸」
※あくまでも1例です。会社によっては例えば「糸」を主要材料費(直接材料費)として扱う場合もあります。
引用元:原価計算基準
「材料費とは、物品の消費によって生ずる原価をいい、おおむね次のように細分する。
1 素材費(又は原料費)
2 買入部品費(以下、省略)」
引用元:原価計算基準
「一〇 費目別計算における原価要素の分類
費目別計算においては、原価要素を、原則として、形態別分類を基礎とし、これを直接費と間接費とに大別し、さらに必要に応じ機能別分類を加味して、たとえば次のように分類する。
(省略)
主要材料費(原料費)
買入部品費
(省略)
補助材料費」
直接材料費
素材費と買入部品費は費目別計算において「直接材料費」として処理し、補助材料費は「間接材料費」として処理します。
在庫管理
素材費は材料の中でも重要性が高いことから、一般的には継続記録法で払い出しを記帳し、棚卸計算法の併用で実地棚卸を行います。
買入部品費や補助材料費は、重要度に応じて、継続記録法で払い出しを記帳し、棚卸計算法の併用で実地棚卸を行います。
関連記事
仕訳
材料は全て「材料」で仕訳するのが一般的です。
しかし、原価要素別に記帳する場合には「素材(資産に属する勘定科目)」「部品(資産に属する勘定科目)」「補助材料(資産に属する勘定科目)」など適切な勘定科目で仕訳します。
原価要素別に記帳した場合の「勘定連絡図」を示します。

これらを消費(製造投入)した場合には、直接材料費である素材費・買入部品費については、「素材」「部品」から「仕掛品」へ振り替え、間接材料費である補助材料費については、「補助材料」から「製造間接費」へ振り替える仕訳を記帳します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
購入 | 素材・部品・補助材料 | ××× | 買掛金など | ××× |
消費 | 仕掛品 | ××× | 素材・部品 | ××× |
製造間接費 | ××× | 補助材料 | ××× |
仕訳例
- 1.素材10を掛けで購入した。
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 素材 | 10 | 買掛金 | 10 |