材料副費とは|勘定科目と仕訳(なぜ貸方に計上するのか?)
記事最終更新日:2024年12月21日
記事公開日:2020年5月19日
材料副費の会計処理には、「原則的な方法」と「予定配賦による方法」があります。
本記事では、勘定科目と仕訳を中心に「なぜ貸方に仕訳するのか?」という疑問も含めて解説します。
※本記事は原価計算基準に基づき文章中心で解説しています。
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材料副費とは
材料副費とは、材料を購入する際の引取費用ならびに購入事務、検収、整理、選別、手入、保管等に要した費用をいいます。
種類
原価計算基準では、引取費用とその他の材料副費に分類しています。
引用元:原価計算基準
「材料の購入原価は、原則として実際の購入原価とし、次のいずれかの金額によって計算する。
1 購入代価に買入手数料、引取運賃、荷役費、保険料、関税等材料買入に要した引取費用を加算した金額
2 購入代価に引取費用ならびに購入事務、検収、整理、選別、手入、保管等に要した費用(引取費用と合わせて以下これを「材料副費」という。)を加算した金額。ただし、必要ある場合には、引取費用以外の材料副費の一部を購入代価に加算しないことができる。」
原則的な会計処理
材料副費の実際発生額を材料に含めて取得原価を処理します。
予定配賦による方法と勘定科目
材料副費の予定配賦額を計算して材料の取得原価に含める方法もあります。
引用元:原価計算基準
「購入代価に加算する材料副費の一部又は全部は、これを予定配賦率によって計算することができる。予定配賦率は、一定期間の材料副費の予定総額を、その期間における材料の予定購入代価又は予定購入数量の総額をもっ て除して算定する。」
この場合には材料副費など別の勘定科目を使用します。
材料副費差異
予定配賦する場合、実際発生額との差額を材料副費差異といいます(原価差異の1つ)。
仕訳
次の通り。
<原則的な方法>
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
材料の購入 | 材料(※1) | ××× | 買掛金など | ××× |
別の勘定科目を使用する場合もあります。
(※1)材料の購入代価 + 材料副費
<予定配賦する方法>
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
材料の購入 | 材料 | ××× | 買掛金など(※1) | ××× |
材料副費(※2) | ××× | |||
材料副費(※3) | ××× | 現金預金など | ××× | |
原価差異(※4) | 材料副費配賦差異 | ××× | 材料副費 | ××× |
別の勘定科目を使用する場合もあります。
(※1)材料の購入代価
(※2)予定配賦額
(※3)実際発生額
(※4)借方差異(不利差異)の場合
材料副費勘定を貸方に仕訳する理由
上記仕訳の通り。3行目の実際発生額を借方計上し、予め計算した予定配賦率に基づき予定配賦額を貸方計上して材料勘定へ振り替えています。
仕訳例
- 1.材料100を掛けで購入した。材料副費の予定配賦率は2%
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 材料 | 102 | 買掛金 | 100 |
材料副費 | 2 |
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