工業簿記2級 材料副費とは(入門)|勘定科目と仕訳(ズボンメーカーの問題例)

更新日:2020年5月19日
作成日:2016年11月4日

前回に引き続き、材料費について解説します。

※この「原価計算入門」のサイトでは、2級レベルの工業簿記を、衣服メーカーを例として毎回解説しています。

種類別の勘定連絡図(個別、総合、標準)

クリックすると、実際個別原価計算、実際総合原価計算、標準原価計算それぞれの勘定連絡図(簿記2級で出題される典型的なケース)が別窓で開きます。

今回の学習はココ

材料費のうち材料副費について学習します。工業簿記の計算段階でいうと、第1段階の費目別計算に該当します。

費目別計算(ひもくべつけいさん)とは材料費、労務費、経費といった費目を直接費と間接費に分類して計算・集計するための手続きをいいます。

具体的には上記の各勘定連絡図の左側に位置する材料、賃金、経費などの総勘定元帳から、仕掛品や製造間接費に分類して集計する手続きです。

材料副費とは

材料副費(ざいりょうふくひ)とは、材料を購入する際の引取費用ならびに購入事務、検収、整理、選別、手入、保管等に要した費用をいいます。

引取費用(ひきとりひよう)とは、買入手数料、引取運賃、荷役費、保険料、関税等材料買入に要した費用をいいます。

いろいろと用語が羅列されていますが簿記2級では上記定義を暗記する必要はありません。「材料を購入する際に費用になる材料自体以外の取引」と理解しておけばいいと思います。

代表的な材料副費に「引取運賃(ひきとりうんちん。トラックや船、飛行機などの運賃)」と「買入手数料(かいいれてすうりょう)」があります。イメージしやすい項目ですのでこれだけ覚えておくとよいでしょう。

材料副費の勘定科目

材料副費の取引で使用する勘定科目は次の通り。

実際原価計算費目別計算の仕訳問題で出題されることがあります。

材料副費の仕訳方法

材料の購入時に引取運賃や買入手数料が発生した場合には、材料自体と一緒に材料勘定で仕訳するのが一般的です。商業簿記で棚卸資産や固定資産を購入した場合も付随費用を取得原価に含めて仕訳することを学びますが、同様です。

予定配賦による場合の仕訳方法

もう一つの方法は工業簿記特有の仕訳方法であり、予定配賦による方法で材料副費を材料に配賦する場合の仕訳方法です。

実際原価計算では実際価格ではなく予定価格による配賦も行えますが、材料副費も同様に予定配賦が可能です。

この場合には材料勘定以外にも材料副費勘定を使用して材料勘定とは別に仕訳します。材料副費は予定配賦を行うので実際金額で計上する材料自体とは別の勘定科目を使用して管理する、ということです。

計算した予定配賦額は材料副費勘定から材料費勘定へ振り替えます。

そして予定配賦を行うので、予定配賦額と実際発生額との差異を把握するために材料副費差異勘定といった勘定科目を使用します。

※工業簿記2級では商業簿記と異なり勘定科目の範囲は定まっておりません。従って別の勘定科目が出題される可能性はあります。問題の指示に従いましょう。

問題例(ズボンメーカーを例に)

(例)布を単価@400円で500枚、購入した。購入の際に引取運賃3,000円が発生した。代金は掛けとし翌月支払う。

この場合の仕訳は次の通り。

布の代金@400円×500枚+材料副費(引取運賃)3,000円=203,000円。

予定配賦の問題例

(例)布を単価@400円で500枚、掛けで購入した。当社は材料副費は材料購入代価の10%を予定配賦する方法を採用している。

この場合の仕訳は次の通り。

材料副費:購入代価200,000円(@400円×500枚)×予定配賦率5%=2,000円

材料副費勘定を貸方に仕訳する理由

上記の仕訳ですが、次の取引が掲載されていないので、材料副費勘定を分かりにくくしています。

(追加例)布の購入時に引取運賃2,000円が発生し、代金は掛けとした。

このように材料副費の発生取引を含めて、布の購入仕訳と併せて仕訳すれば材料副費が貸方計上された理由がはっきりしします。

材料副費差異の問題例

(例)材料副費について実際発生額と予定配賦額との差額を計算し適切な勘定科目に振り替えた。

材料副費配賦差異:予定配賦額2,000円ー実際発生額3,000円=1,000円(不利差異、借方差異)

予定価格の配賦については下記も参照。

次の問題と解説

材料消費価格差異について解説します。工業簿記を学習するメインの一つが差異分析。沢山ある差異分析の中で材料消費価格差異はどのような位置づけなのか実際原価計算と標準原価計算の比較や直接材料費、直接労務費、製造間接費の比較といったいくつかの視点による切り口で把握することがポイント。

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