費目別計算とは|概要と手続きなど用語を解説
記事最終更新日:2023年7月14日
記事公開日:2020年5月19日
「費目別計算」は、最初の原価計算手続きであり、学習内容も多いことから、苦手としている人も少なくありません。
本記事では、費目別計算の概要と手続きについて解説します。
※各テーマの詳細は、各テーマに掲載の関連記事で解説しています。
費目別計算とは|概要と手続きなど用語を解説
目次
費目別計算とは
費目別計算とは、原価計算(工業簿記)の第1段階の手続きであり、製品に要する原価要素を材料費、労務費、経費に分類し、さらに直接費と間接費に分類する手続きをいいます。
引用元:原価計算基準
「原価の費目別計算とは、一定期間における原価要素を費目別に分類測定する手続をいい、財務会計における費用計算であると同時に、原価計算における第一次の計算段階である。」
費目別計算
- 原価要素を次の6種類に分類
- ・直接材料費/間接材料費
- ・直接労務費/間接労務費
- ・直接経費/間接経費
原価計算手続き
- (1)費目別計算→(2)部門別計算→(3)製品別計算
材料費とは
材料費とは、製品の元になる原材料や部品、消耗品などの材料に要した費用のことをいいます。
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労務費とは
労務費とは、モノを作る際に直接または間接的に作業した人たちに関係した賃金・給料をいいます。
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経費とは
経費とは、費目別計算の要素のうち、材料費と労務費以外の要素をいいます。
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直接費と間接費
直接費とは、原価要素のうち、どの製品にどの位、消費したのか直接認識できるものをいいます。
間接費とは、原価要素のうち、どの製品にどの位、消費したのか直接的には把握できないものをいいます。
仕掛品と製造間接費
製造に投入した直接費は仕掛品に集計し、間接費は製造間接費に集計し部門別計算を経た後に仕掛品に集計します。
形態別分類と機能別分類
費目別計算では、原価要素について形態別分類を基礎とし、機能別分類を加味して材料費、労務費、経費に、さらにそれぞれを直接費と間接費に分類するとしています。
引用元:原価計算基準
「費目別計算においては,原価要素を,原則として,形態別分類を基礎とし,これを直接費と間接費とに大別し,さらに必要に応じ機能別分類を加味して,たとえば次のように分類する。(以下、省略)」
原価要素の分類を行うために、材料費、労務費、経費をさらに細かく分類します。この分類の方法として形態別分類と機能別分類があります。材料費を例とすると、素材費(又は原料費)や買入部品費といった分類が形態別分類に該当し、主要材料費、補助材料費、工場消耗品費といった分類が機能別分類に該当します。
引用元:原価計算基準
「形態別分類とは、財務会計における費用の発生を基礎とする分類、すなわち原価発生の形態による分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを材料費、労務費および経費に属する各費目に分類する。」
引用元:原価計算基準
「機能別分類とは、原価が経営上のいかなる機能のために発生したかによる分類であり、原価要素は、この分類基準によってこれを機能別に分類する。」
費目別計算の手続き
費目別計算の手続きの流れは次の通りです。
1.原価要素の識別
会社の活動のうち、製造原価の活動を把握します。
例えば、ズボンメーカーでは布の購入は製造活動ですが、支払利息や有価証券の売却損益は非原価項目であるため原価要素ではありません。
2.費目の分類
原価要素に該当する活動を直接材料費、間接材料費、直接労務費、間接労務費、直接経費、間接経費のどれに該当するのか分類します。
材料費の素材費など、細目を把握することで、その費目として把握した根拠が明確になります。
3.仕訳帳・伝票への記帳と総勘定元帳の転記
2.で分類した費目別に原価要素を仕訳帳(または伝票)へ記帳し、総勘定元帳へ転記します。
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