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直接経費
直接経費は、外注加工賃と特許権使用料です。ここでは、直接経費の取引と計算、勘定連絡図、仕訳について解説します。
<直接材料費の取引>
(1)外注加工賃 (2)特許権使用料 の2つに分けます。
(1)外注加工賃
<出題可能性・重要度>★★☆☆☆
外注加工賃として、会社外部の専門業者に特殊な加工やデザインを依頼する場合には、材料を渡します。
工業簿記2級では、「無償支給(むしょうしきゅう)」という、外部業者に、無料で材料を支給する方法が、出題されたことがあります。
この場合の仕訳は、「仕掛品 ×××/現金など ×××」というように、材料費の「材料」や労務費の「賃金・給料」のような、いったん集計する勘定科目を使わずに、直接「仕掛品」へ計上する方法が、本試験では一般的です。
<Check>例題-外注加工賃
- (例題)当月の製造のうち、一部は特殊なズボン加工を行うため、外部業者に材料を無償支給して作業を依頼した結果、外注加工賃100,000円が発生し、現金で支払った。
- (仕訳)
- 仕掛品 100,000/現金 100,000
- ※材料の無償支給部分はタダで材料を渡しただけで、加工された後に戻ってくるので、ここでは仕訳しません。もちろん、この取引の前に、材料を倉庫から出庫して製造投入しているはずであり、問題に指示があれば、ここで同時に「仕掛品 ×××/材料 ×××」と、材料出庫の仕訳を行う場合もあります。
(2)特許権使用料
<出題可能性・重要度>★☆☆☆☆
別の会社などが所有する特許権を使用する場合に、発生する経費です。外注加工賃と同じく、「仕掛品 ×××/現金など ×××」と仕訳するのが一般的です。
<Check>例題-特許権使用料
- (例題)あるズボン製造には特別な特許を必要としており、外部の会社とライセンス契約を交わし、特許使用の許諾を得ている。当月の生産に必要なライセンス使用料250,000円を、当該会社に現金で支払った。
- (仕訳)
- 仕掛品 250,000/現金 250,000
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