2-3 材料費
材料費とは、製品の元になる原材料や部品、消耗品などの材料に要した費用のことをいいます。
例えば、ズボンという製品の材料費は、布・ボタン・ファスナー・糸などに要した費用をいいます。
材料費の分類
<出題可能性・重要度>★★★★★
<出題可能性・重要度>★★★★★
材料費の分類は、次の通り。
「分類」にある5つの分類名は、仕訳や勘定連絡図の問題で出題されるので、覚える必要があります。
といっても、分類名を丸暗記する必要はありません。
例えば、「素材1,000円を掛けで購入した」といったように、分類名は問題に書いてあります。皆さんが覚えるのは、
「素材は直接材料費」
「金額の計算」
「仕訳」
「勘定連絡図を計算用紙に描けること」
です。
特に、「直接材料費なのか、それとも間接材料費なのか」を覚えることがポイントです。
なぜならば、「直接材料費と間接材料費とで仕訳が異なるから」です。
この点は、労務費や経費も同じです。直接費なのか間接費なのか、表を見ないで分類できるように学習しましょう。
(再掲)<用語>直接費と間接費
- ・直接費 = 費目のうち、原価要素をどの製品にどの位、消費したかが把握できるもの
- ・間接費 = 費目のうち、原価要素をどの製品にどの位、消費したかが直接的には把握できないもの
第1章の「手続き1-費目別計算」で解説した内容を再掲します(少し長文を再掲)。
(再掲ここから)
例えば、材料費のうち布はズボンを作るのに何枚消費したのか把握できるので、直接材料費に該当します。なぜ消費を把握できるかというと、ズボンの最も大切な材料であるので、在庫管理を行い、布の購入と払い出しを記帳するからです。ボタンやファスナーといった部品も、同じ理由から直接材料費です。
これに対して、糸は布と比較すると、ズボンの補助的な材料という位置付けであり、ズボン1本を作るのに何束消費したのかは、把握が難しいし大変です。
糸くずも発生しやすいので、在庫管理はしません。従って、糸は間接材料費に該当します(実際の会社では糸を在庫管理している場合もあるかもしれませんが、本書ではこのように解説します)。
ミシンや針などは、糸とは別の理由から、間接材料費になります。なぜならば、ミシンや針は何回も使用可能なため、たくさんのズボンの製造のために使うからです。従って、ズボン1本を作るのにどれだけ消費したのかは把握できないので、間接材料費です。
そして、間接材料費に該当する糸やミシン、針などは「製造間接費」として分類します。
(再掲ここまで)
布や糸といった例は、それぞれの分類をイメージして、理解しやすくするためです。問題で、「素材」といった言葉が出てきたら、イラストから「布」をイメージできれば、問題を解くのに役立つでしょう。
<用語>材料費
- ・材料費 = 製品の元になる原材料や部品、消耗品などの材料に要した原価のこと
※続きは次のページ
