日商簿記2級、3級 株式会社と会社法とは|取締役会や監査役などの機関

更新日:2021年1月16日
公開日:2018年4月25日

前回は、日商簿記2級の範囲の財務諸表のうち、株主資本等変動計算書について解説しました。

今回は、株式会社と会社法について概要(株式や取締役会、監査役などの機関などの用語)を解説します。

(はじめに)日商簿記2級、3級で株式会社や会社法を学習する理由とは

日商簿記2級や3級では株式会社を想定した取引が出題されます。具体的には株式に関する取引を中心に出題されます。

株式は株式会社が発行しますので、株式会社について知っておけば株式に関する仕訳を理解するのに役立ちます。

また、株式に関する取引は会社法という法律が関係します。そこで会社法についても学習しておくとより効果的です。

株式会社とは

株式会社(かぶしきがいしゃ)とは、株式を発行してお金を調達し、そのお金で事業活動を行う会社のことをいいます。

会社は事業(ビジネス)を行うためには元手となる資金が必要です。

この資金を集める場合には借り入れという方法がありますが、株式会社の場合には、もう一つの手段として株式の発行があります。

株式とは

株式(かぶしき)とは、会社経営にとって重要な意思決定に参加する権利を細分化したものをいいます。

一般的には株式とはいわず、単に「株(かぶ)」ということが多いです。

また、株式の保有者を「株主(かぶぬし)」といいます。

「株式会社の所有者は株式を保有した株主である」ということができます。

有名な大企業のほとんどは、株式を一般人が購入できるよう株式市場に参加しており(このような会社を「上場企業(じょうじょうきぎょう)」といいます)、数万円で購入できる株式も少なくありません。

1単位でも購入すれば、購入者はその会社の株主です。例えば発行されている株主の総数が100単位であれば、会社の100分の1を所有しています。

会社法とは(以下、日商簿記2級の論点)

会社法(かいしゃほう)とは、会社に対する債権者を保護することを主な目的として制定されている法です。

株式会社は「株主有限責任の原則(かぶぬしゆうげんせきにんのげんそく)」という原則があり、株主は株式会社の所有者ですが株式を購入した額(正確には引受額といいます)までしか、責任を負うことはありません。

従って、会社に大金を貸している銀行などにとっては、会社が倒産などすれば貸したお金の全額が戻ってくる保証はないということです。

そこで、このような債権者を保護するためのルールを設けるために会社法が制定されています。

様々なルールがありますが、ここでは株式会社を知るのに欠かせない「株式会社の機関」について解説します。

会社の機関

株式会社の機関(きかん)とは、株式会社を経営する上で重要な役割を担う人や組織のことをいいます。

代表的な株式会社の機関に、株主総会、取締役会、代表取締役、監査役、会計監査人があります。

株主総会とは

株主総会(かぶぬしそうかい)とは、株主で構成され、会社経営に関する基本的事項の意思決定を行う組織をいいます。

簿記や会計に関する取引でいえば、株式の発行や剰余金の配当、任意積立金の積み立てなどが該当します。

その他、代表取締役の下で作成される財務諸表(決算書)の承認(または報告を受ける)や、取締役、監査役、会計監査人の選任・解任などを行う権限を持ちます。

日本は3月決算の会社が多く、(定時)株主総会は決算の3か月以内に行うことから、6月(とくに下旬)が定時株主総会の開催が最も多い時期です。

取締役会とは

取締役会(とりしまりやくかい)とは、取締役で構成され、会社の重要な業務に関する意思決定を行う組織をいいます。

簿記や会計に関する取引でいえば、株式の発行や財務諸表(決算書)の承認、多額の借り入れなどがあります。

その他、取締役は、代表取締役の業務執行を監視する役割を担っており、代表取締役を選任・解任する権限を持ちます。

代表取締役とは

代表取締役(だいひょうとりしまりやく)とは、会社を代表して、業務執行(経営)を行う者をいいます。

いわゆる「社長」が代表取締役に該当します。

会社経営の専門家といえる取締役や監査役は株主から構成される株主総会から選任され、会社経営に参画します。

代表取締役は、その取締役の中から選任され、株主総会や取締役会で決定された事項や日常業務について業務を行います。

とはいっても、代表取締役が1人で会社の業務をすべて行うことはなく、従業員(いわゆる会社員)を雇用して代わりに従業員が業務を行います。

簿記や会計に関する取引でいえば、財務諸表(決算書)の作成が、代表取締役の重要な役割になります。

監査役とは

監査役(かんさやく)とは、取締役の業務を監視する者をいいます。

監査役が複数名で構成する監査役会が存在する会社もあります。

簿記や会計に関する取引でいえば、上述の取締役(取締役会)や代表取締役が行う意思決定や業務について、様々な日本の法律に照らし合わせて違法でないかどうかという視点からチェックします。

会計監査人とは

会計監査人(かいけいかんさにん)とは、会社の財務諸表(決算書)を監査する者や組織をいいます。

簿記や会計に関する取引でいえば、代表取締役の下で作成された財務諸表(決算書)をチェックして、適正かどうかという会計監査の結果を監査報告書として決算書に添付することで、株主総会に報告します。

会計監査人には公認会計士、または公認会計士で構成された監査法人のみが就任することができます。

まとめ

今回は株主会社と会社法について概要を解説しました。簿記2級でこれらの用語が登場しても慌てない程度に覚えておけば試験対策としては十分です。

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