約束手形とは|基本的な仕訳をシンプルに解説(簿記3級)
記事最終更新日:2024年2月4日
記事公開日:2021年8月10日
手形の種類には「約束手形」と「為替手形」があります。本記事では、簿記3級で出題される「約束手形」の基本的な仕訳について、シンプルに解説します。
仕訳例
<仕訳例>
1.商品100を販売し、得意先から代金として、振出人・支払人が得意先、受取人を当社とする約束手形を受け取った。
2.取引銀行へ上記1.の手形を持ち込んで呈示し、取り立てを依頼した結果、支払期日に代金が普通預金口座に振り込まれたことを確認した。
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 受取手形 | 100 | 売上 | 100 |
2 | 普通預金 | 100 | 受取手形 | 100 |
約束手形とは
「約束手形」とは、「振出人かつ支払人」と「受取人」の2者間で債権債務の取引を行う場合に使用する手形をいいます。
<商品売買の場合>
- ・A社が得意先のB社に商品を販売し、代金として約束手形を受け取り
- ・A社が「受取人」。B社が「振出人かつ支払人」
- ・A社は取引銀行へ手形を呈示(手形を見せること)すれば、支払期日に代金が銀行預金口座に振り込まれる。
- ・支払期日にB社の当座預金口座から代金が引き落とされる。
この約束手形の場合、『キツツキ工務店のきつつ木一夫(振出人かつ支払人)が、「ゴリラ木材株式会社(指図人)に対して、平成24年7月20日に、一千万円を全国ペンギン銀行の小鳥支店から支払います」ということを約束する証書(手形)を平成24年4月12日に振り出した(作成した)』ということを意味します。
為替手形との違い
「約束手形」は2者間の取引に使用しますが、3者間の取引には「為替手形」を使用します。「為替手形」では、「振出人」と「支払人」とがそれぞれ別になります。
仕訳方法
約束手形を受け取った場合は「受取手形(資産)」で仕訳し、支払いのため手形を振り出した場合には「支払手形(負債)」で仕訳します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
手形の受け取り(商品販売) | 受取手形 | ××× | 売上 | ××× |
代金の回収 | 現金・預金 | ××× | 受取手形 | ××× |
手形の振り出し(商品仕入) | 仕入 | ××× | 支払手形 | ××× |
代金の支払い | 支払手形 | ××× | 現金・預金 | ××× |
関連記事(手形)
※電子書籍WEB版(フリー)の一覧は「第6章 手形取引-PDCA会計 簿記3級 基本テキスト&基本仕訳問題」に掲載