手形借入金とは|勘定科目と仕訳を取引別に解説(簿記3級)
記事最終更新日:2024年5月22日
記事公開日:2021年8月11日
簿記3級で出題される「手形借入金(勘定科目)」について仕訳例を示して解説します。
手形借入金とは
「手形借入金」は負債に属する勘定科目です。金銭を借りるため証書の代わりに金融手形を発行して借入を実行した取引を仕訳する際に使用します。
負債の勘定科目である理由
手形借入によって「将来金銭を返済する義務」が発生するため、負債に属する勘定科目になります。
支払手形との違い
「支払手形」は商品販売や仕入の際に手形で支払う場合に使用します。これに対して、「手形借入金」は資金調達を目的とした金融取引で使用します。
手形借入金の仕訳
「手形の振出時」と「資金の返済時」とに分けて解説すると次の通り。
1.借入時に手形を振り出した場合の仕訳
「手形借入金」を負債計上するため貸方に記入し、貸主から受け取ったキャッシュ(現金・預金)を借方に記入します。
<仕訳例>
運転資金100を借り入れる金銭消費貸借契約を締結した。貸主より予め利息を差し引かれた金額97の小切手を受け取ると同時に手形を振り出して渡した。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
現金 | 97 | 手形借入金 | 100 |
支払利息 | 3 |
※貸主側の仕訳では「手形貸付金」を使用します。
2.返済時の仕訳
資金を返し支払義務を果たしたため、「手形借入金」の減少として借方に記入するとともに、キャッシュを貸方に記入します。
<仕訳例>
返済期日となり手形額面100を当座預金口座から貸主へ振り込んだ。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
手形借入金 | 100 | 当座預金 | 100 |