商業簿記3級 受取手形と支払手形の仕訳処理

更新日:2019年11月13日
公開日:2017年11月5日

前回、「商業簿記入門その31~手形の種類と取り扱い」では手形の種類(約束手形と為替手形)や手形の実務上の取り扱いについて解説しました。

今回は受取手形と支払手形の仕訳処理について説明します。

受取手形と支払手形(簿記3級)

約束手形や為替手形といった種類に関係なく、商品販売の代金として受け取った手形を受取手形といい、商品仕入れの代金として支払った手形を支払手形といいます。

※約束手形や為替手形、その他手形の取り扱いについては、「商業簿記入門その31~手形の種類と取り扱い」を参照ください。

約束手形の仕訳処理(簿記3級)

【受取人の仕訳処理】

商品を販売し、代金として約束手形を受け取った場合には、受取手形勘定(資産に属する勘定科目)を借方に記入して仕訳処理します。

受取手形の支払期日が到来し、銀行に振り込まれた場合には、受取手形勘定を貸方に記入します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手形の受取
(商品販売の代金)
受取手形×××売上×××
代金の回収預金の勘定
(普通預金、当座預金など)
×××受取手形×××

【支払人(=振出人)の仕訳処理】

商品を仕入れ、代金として約束手形を振り出して渡した場合には、支払手形勘定(負債に属する勘定科目)を貸方に記入して仕訳処理します。

支払手形の支払期日が到来し、当座預金から支払った場合には、支払手形勘定を借方に記入します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手形の振り出し
(商品仕入れの代金)
仕入商品など×××支払手形×××
代金の支払い支払手形×××当座預金など×××

為替手形の仕訳処理(簿記3級)

為替手形の仕訳処理は、受取人、支払人、振出人の3者が存在します。詳細は、「商業簿記入門その31~手形の種類と取り扱い」を参照ください。」

【受取人の仕訳処理】

振出人に対する売掛金を為替手形で回収したことになります。従って、借方に受取手形勘定を、貸方に売掛金勘定を記入して仕訳します。

【支払人の仕訳処理】

振出人への買掛金を為替手形で支払ったことになります。従って、借方に買掛金勘定を、貸方に支払手形勘定を記入して仕訳します。

【振出人の仕訳処理】

売掛金と買掛金がそれぞれ減少します。したがって、借方に買掛金勘定を、貸方に売掛金勘定を記入します。

自己受為替手形(簿記2級)

為替手形のうち、受取人と振出人が同一の為替手形を「自己受為替手形(じこうけかわせてがた)」といい、受取手形勘定で仕訳します。

受取手形と支払手形のまとめ

仕訳する主体出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
受取人手形の受取受取手形×××売掛金×××
代金の回収当座預金など×××受取手形×××
支払人手形の振出連絡
振出は振出人
買掛金×××支払手形×××
代金の支払い支払手形×××当座預金など×××
振出人手形の振り出し買掛金×××売掛金×××

仕訳例

  • 1.A社は、B社に商品20万円を販売し、代金としてB社を振出人とする手形を受け取った。
  • 2.上記1.の支払期日が到来した。A社は、B社から手形代金を当座預金に振り込んだとの連絡を受けた。
  • 3.上記1.と2.について、B社側の仕訳をきりなさい。2.で手形代金の支払いは当座預金から行ったとする。
  • 4.A社は、売掛金と買掛金の支払いのため、B社を支払人、C社を受取人とする、10万円の為替手形を発行した。A社、B社、C社それぞれの仕訳をきりなさい。
No仕訳の主体借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1A社受取手形200,000売上200,000
2A社当座預金200,000受取手形200,000
3B社仕入れ、商品など200,000支払手形200,000
支払手形200,000当座預金200,000
4A社買掛金100,000売掛金100,000
B社買掛金100,000支払手形100,000
C社受取手形100,000売掛金100,000

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まとめ

今回は受取手形と支払手形の仕訳処理について解説しました。まずは約束手形から理解し、他の科目も学習した後、余裕があれば為替手形にも取り組んでみましょう。

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