クレジット売掛金とは|仕訳例を示して解説(簿記3級)
記事最終更新日:2024年1月7日
記事公開日:2017年9月24日
「クレジット売掛金」はクレジットカード払いの場合に使用する勘定科目です。
本記事では、「クレジット売掛金」の仕訳について例を示して具体的に解説します。
クレジット売掛金とは|仕訳例を示して解説(簿記3級)
目次
仕訳例
<仕訳例>
1.得意先に商品100を販売し、得意先はクレジットカードによる支払いを選択した。手数料は売上金額の2%とする。
2.代金支払いの期日が到来し、当座預金に全額振り込まれたことを確認した。
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | クレジット売掛金 | 98 | 売上 | 100 |
支払手数料 | 2 | |||
2 | 当座預金 | 98 | クレジット売掛金 | 98 |
クレジット売掛金とは
「クレジット売掛金」とは、クレジットカードを利用した売上取引に使用する勘定科目をいいます。
取引の特徴
商品を販売する会社が「クレジットによる支払い」を選択肢の1つに設定している場合、得意先は通常の現金払いや掛け、手形の振り出しに代えて、「クレジット払い」を選択できます。
得意先がクレジット払いを選択した場合には、商品を販売した会社はクレジットカードを発行する会社(信用会社)に対して「利用手数料」を支払います。
(補足)「クレジット売掛金」は誰が支払う?
クレジット売掛金は得意先の代わりに、「信用会社」が販売会社に対して代金を支払います。
その後、信用会社は得意先に上記の代金を請求して、回収します。
<お金の流れ>
- (1)信用会社→販売会社
- (2)得意先→信用会社
勘定科目の属性
「クレジット売掛金」は、通常の売掛金と同じく、将来、現金になることから、「会社の財産」として「資産」に該当します。
従って、「取引の8要素」の「資産」の仕訳に基づき、「クレジット売掛金」の増加は借方に記入し、減少は貸方に記入します。
仕訳方法
クレジット払いで商品を販売した際には、売上代金を全額、「売上」で貸方記入しますが、売掛金は手数料を差し引いた残額について「クレジット売掛金」を借方に記入し、手数料部分は「支払手数料」で同じく借方に記入します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
商品の販売 | クレジット売掛金 | ××× | 売上 | ××× |
支払手数料 | ××× | |||
売上代金の回収 | 現金・預金など | ××× | クレジット売掛金 | ××× |
信用会社(クレジットカード会社)を利用するメリット
売上代金を安全に回収できます。つまり、得意先がクレジットカードでの支払方法を選択すれば、販売会社は手数料を支払う代わりに信用会社から代金を回収するため、貸倒れリスクが低くなります。
評価と貸倒引当金
クレジット売掛金は売掛金と同じく債権(金銭債権)に該当するため、期末に貸倒引当金を見積もって評価します。
関連記事(売掛金・買掛金)
※電子書籍WEB版(フリー)の一覧は「第4章 売掛金と買掛金-PDCA会計 簿記3級 基本テキスト&基本仕訳問題」に掲載