商業簿記入門その70~収益と費用その1(受取家賃、地代、手数料の仕訳処理)(3級)

公開日:2018年4月9日

受取家賃、地代、手数料の仕訳処理(3級)

前回、「商業簿記入門その69~純資産(資本金と引出金)の仕訳処理(3級)」では、純資産(資本金)の仕訳処理について解説しました。

今回から数回に分けて、収益と費用のうち、これまでに解説していない勘定科目の仕訳処理について説明します。

※簿記3級に出題される勘定科目の一覧を調べたい方は、「勘定科目一覧(簿記2、3級検索データベース」をご参照ください。勘定科目の仕訳解説ページもリンクが記載してありますので、仕訳が分からない時に利用すると便利です。

※収益と費用そのものについては「商業簿記入門その3~収益・費用・利益と損益計算書との関係(3級)」にて解説しています。よろしければご参考ください。


受取家賃と受取地代

受取家賃(うけとりやちん)とは、ビルやマンション、アパート、一軒家など、建物を貸した場合に受け取る家賃収入のことをいいます。

これに対して、受取地代(うけとりちだい)とは、建物ではなく、土地を貸した場合に受け取る収入のことをいいます。

受取家賃と受取地代の仕訳処理

建物を貸した場合の家賃収入の増減取引を処理する場合には、「受取家賃勘定(収益に属する勘定科目)」を使用します。

また、土地を貸した場合の地代収入の増減取引を処理する場合には、「受取地代勘定(収益に属する勘定科目)」を使用します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
家賃収入の受け取り現金預金など×××受取家賃×××
地代収入の受け取り現金預金など×××受取地代×××

受取手数料とは

受取手数料(うけとりてすうりょう)とは、仲介、代理、事務などにより受け取る手数料収入のことをいいます。

仲介(ちゅうかい)とは、2者の間に入って、取り次いだりまとめたりすることをいいます。

代理(だいり)とは、本人の代わりに処理を行い、その行った処理は、法律上では本人が行った行為として取り扱われます。

これらの言葉は不動産取引でよく使用されます。

例えば、あなたがマンションやアパートを借りたいとすると、おそらくインターネットから賃貸物件を検索して、良さそうな物件があれば、問い合わせボタンをクリックする、または電話で、その物件を扱っている不動産会社に問い合わせるでしょう。

その後、不動産会社があなたと物件の大家との間に入って、取り次いだり話を進めたり、という行為を行います。

これが「仲介」です。

その後、良い物件が見つかり手続きも進んで大家さんと契約することになりました。しかし、もしあなたが未成年である場合には、親があなたに代わり、不動産会社と契約することになるでしょう。

これが「代理」です。

このような仲介や代理、または事務手続きなどによって、受け取る手数料収入を受取手数料といいます。

受取手数料の仕訳処理

受取手数料の増減取引を処理する場合には「受取手数料勘定(収益に属する勘定科目)」を使用します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手数料の受け取り現金預金など×××受取手数料×××

【補足】事業で受け取った家賃、地代、手数料の仕訳処理について(実務の場合)

※簿記3級の試験範囲ではありませんが、仕訳理解を促すのに役立ちます。ご興味ある方はお読みください。

例えば不動産会社が上述の取引を行った結果、家賃や地代、手数料を受け取った場合のように、事業(=主要ビジネス)としての取引として家賃や地代、手数料を受け取った場合には、これらの取引は、受取家賃や受取地代、受取手数料ではなく、「売上」勘定で仕訳処理する、ということが他のサイトや参考書に記載していることがあります。

このことは、勘定科目が最終的に損益計算書の「どの区分」に表示されるか、ということと関係があります。

不動産会社の場合には、上述の取引は事業として行った取引であるので、最終的には損益計算書の売上高に表示させる必要があります。

これに対して、上述の取引を事業、すなわち主要ビジネスではなく、例外的な取引や付随する取引として行った場合には、損益計算書には売上ではなく、例えば営業外収益の区分に表示させます(会社によって、また具体的な取引によって、販売費及び一般管理費の科目から控除する、という場合など仕訳処理は様々ですが、少なくとも売上には表示しません)。

勘定科目によって日々の取引を記録する段階と日々の取引を集計して損益計算書に表示させる段階と、2つのステップに分けて考えることが大切です。

今回の話では、勘定科目の名称は売上勘定であっても、受取家賃勘定であっても構わないということです。不動産会社の場合には、「受取家賃」、「受取地代」、「受取手数料」という勘定科目を、損益計算書の売上に表示する科目として、弥生会計や勘定奉行、Freeeなどの会計システム上に登録してあれば、受取家賃勘定で仕訳処理しても全く問題はない、ということです。

科目には、①日々の取引を記録するための勘定科目と、②貸借対照表や損益計算書に表示させる表示科目、の2種類があることを覚えておきましょう。

まとめ

今回は収益の勘定科目のうち、受取家賃、受取地代、受取手数料について解説しました。問題の指示に従って勘定科目を選択しましょう。


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