受取家賃とは|基本的な仕訳を詳しく解説(簿記3級)

記事最終更新日:2025年12月8日
記事公開日:2018年4月9日

簿記3級で出題される勘定科目である受取家賃の基本的な仕訳について、受取地代との違いや経過勘定項目(前受収益・未収収益)など具体例を挙げて詳しく解説します。

受取家賃とは

受取家賃」は、ビルやマンション、アパート、一軒家など、建物を貸した場合に受け取る家賃収入を仕訳処理する際に用いる、「収益に属する勘定科目」です。

受取地代との違い

受取家賃と似た勘定科目に受取地代があります。受取地代は、建物の賃貸ではなく、土地を貸した場合に受け取る収入を仕訳する場合の勘定科目です。

仕訳処理

簿記3級で出題される受取家賃の仕訳のポイントとして、「基本型」と「前受収益・未収収益の計上」を説明します。

1.基本型

建物の賃貸収入は収益を表します。従って、賃貸収入を受け取った場合には、借方に現金や普通預金などの勘定科目を記入するとともに、貸方には「受取家賃勘定(収益に属する勘定科目)」を記入して仕訳します。

<仕訳例1>
今月の建物賃貸収入として、¥100,000が普通預金に振り込まれた。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
普通預金100,000受取家賃100,000

<取引の8要素>

取引の8要素の一覧表

2.前受収益・未収収益の計上

契約内容によっては、当月分の建物の家賃を当月以外の月、例えば、前月や翌月に受けとる場合もあります。

この場合、期中には代金を受け取った時に上記の基本型の仕訳例の通り仕訳しますが、決算手続きでは決算整理事項として「前受家賃(前受家賃)」または「未収収益(未収家賃)」といった勘定科目(経過勘定項目)を用いて仕訳します(決算整理仕訳)。

<仕訳例2>
3/25(期中) 家賃収入¥100,000(4月分を前受け)が普通預金に振り込まれた。
3/31(決算日) 決算整理事項。3/25に入金された家賃収入¥100,000を前受収益(前受家賃)として計上する。

日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/25普通預金100,000受取家賃100,000
3/31受取家賃100,000前受収益 ※100,000

※前受収益は前受家賃でも可

<解説>
3/25(期中)の入金が4月分の家賃の前受けです。この時に貸方に受取家賃で仕訳しますが、この会社の決算は3月であるため、この4月分の入金は翌年度の家賃ということになります。

従って、この3/25の取引は、決算時に、「受取家賃¥100,000を前受収益計上する」という「決算整理事項」になるため、解答の通り借方に受取家賃¥100,000を記入して3/25に貸方に計上した同額の受取家賃を相殺消去するとともに、貸方に前受収益(前受家賃。負債に属する勘定科目)を計上します。

仕訳2の翌年度の仕訳

なお、翌月(翌年度)の仕訳では、期首(4/1)に前受収益の再振替仕訳を記帳します。

日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
4/1前受収益 ※100,000受取家賃100,000

※前受収益は前受家賃でも可

当該仕訳によって、3月決算時の前受収益の残高¥100,000が翌年度には消去されてゼロになるとともに、3/25家賃の前受け分の入金¥100,000がこの4月に受取家賃として収益に計上されます。

<仕訳例3>
3/31(決算日) 決算整理事項。3月分の家賃収入¥200,000は翌月4/20に入金予定であるため、未収収益(未収家賃)を計上する。

日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/31未収収益 ※200,000受取家賃200,000

※未収収益は未収家賃でも可

<解説>
前問は前受けだったため、3/25に入金がありましたが、本問では3月決算時点では3月分が未入金であり、翌月4/20入金予定になっています。

このままでは3月分の受取家賃が未計上となってしまうため、「決算整理事項」として貸方に受取家賃¥200,000を記入するとともに、借方には同額の未収収益(未収家賃。資産に属する勘定科目)を記入して仕訳します。

仕訳3の翌年度の仕訳

翌月(翌年度)の仕訳では、期首(4/1)に未収収益の再振替仕訳を記帳します。

次に4/20に3月分の家賃収入の入金を仕訳します(普通預金口座に振り込まれた場合の仕訳を掲載)。

日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
4/1受取家賃200,000未収収益 ※200,000
4/20普通預金200,000受取家賃200,000

※未収収益は未収家賃でも可

4/20には貸方に受取家賃¥200,000を計上しますが、4/1の再振替仕訳の借方に計上した同額¥200,000の受取家賃と相殺消去されます。なぜならば、この入金は前月3月分の家賃収入であるため、前月3月までの決算に受取家賃¥200,000として計上したからです。4月にも受取家賃¥200,000を計上すると重複になるため、再振替仕訳によって4/20の受取家賃の計上を相殺消去します。

仕訳問題

<問題>
家賃収入に関する次の取引について、仕訳を示しなさい。なお当社は3月31日を決算日としている。

  • 3/10 A社から当月分の家賃収入¥50,000が普通預金口座に振り込まれていることを確認した。
  • 3/20 B社から翌月分の家賃収入¥120,000が普通預金口座に振り込まれていることを確認した。
  • 決算を迎えた。決算整理事項は次の通りである。
  • (1)B社からの家賃収入について前受計上する。
  • (2)C社からの家賃収入¥80,000(翌月入金予定)について未収計上する。

<解答>

日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/10普通預金50,000受取家賃50,000
3/20普通預金120,000受取家賃120,000
3/31受取家賃120,000前受収益 ※1120,000
3/31未収収益 ※280,000受取家賃80,000

※1:前受収益は前受家賃でも可
※2:未収収益は未収家賃でも可

<取引の8要素>

取引の8要素の一覧表

<解説>
3/10と3/20のA社及びB社からの家賃収入はどちらも入金時には同じ型の仕訳になります。ただしB社からの入金は翌月分(翌年度の4月分)の家賃であるため、決算整理仕訳として前受収益(前受家賃)を計上します。

C社からの3月分の家賃収入は今年度には未入金であり、翌月(翌年度の4月)に入金予定であるため、今年度の決算では未収収益(未収家賃)を計上します。

関連記事(簿記3級 販管費・営業外損益)

\ SHARE /

サイト内検索

著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

詳細はこちら↓
著者プロフィール

☆電子書籍の「0円キャンペーン」
日商簿記テキスト・問題集で実施中。X(旧twitter)で告知します。
「PDCA会計」をフォロー

関連記事